石川昂弥、根尾昂…立浪竜“未完の大器”に覚醒のときが来た!?

 3月19日、東北楽天ゴールデンイーグルスとのオープン戦2戦目、「7番・三塁」でスタメン出場した石川昂弥が第2打席でレフト前ヒットを放った。2日連続の安打に、立浪和義監督は、少しホッとしたのではないだろうか。

 話は、前日の試合前に遡る。中日は名古屋市内の熱田神宮で必勝を祈願したが、その道すがら立浪監督は、

「昂弥に関しては、根気よくやっていこうかなと思っています」

 と、レギュラーとして起用していく考えを明かしていた。

「オープン戦の打率は2割そこそこ。でも、試合前のフリー打撃では快音を連発しており、将来のクリーンアップ候補として、立浪監督も改めてその才能を認めていました」(地元メディア)

 昨季まで三塁を主に守っていた髙橋周平を二塁にコンバートしている。しかし、立浪監督は石川について、「ちょっとボーッとした感じ。おっとりしていると言うか…」と、物足りなさも口にしていた。

 本来なら、レギュラーポジションとは奪い取るものだ。19日時点まで中日は19人の野手をオープン戦に帯同させているが、昨季の開幕戦は17人で臨んだ。「2、3人を降格させる」と予想されており、2割そこそこの打率しか残せていない石川をスタメンで使い続けることは、チームの不協和音にもつながりかねない。また、こんな指摘も聞かれた。

「途中から一軍に合流してきた堂上直倫が打撃好調です。堂上は内野ならどこでも守れるので、二塁・高橋周、遊撃・京田とすぐにでも入れ代わることができます」(テレビ局スポーツ部員)

 石川の試練のスタメン出場と堂上の好調さが中日打線の発奮材料となれば良いのだが、オープン戦のチーム打率は2割2分1厘と低く、12球団中10位。中日打線の不甲斐なさは、今に始まった話ではない。立浪監督はガマンの采配が続きそうだが、そのガマンして使ってもらう対象に「根尾昂が加わったら」と地元ファンは願っているはず。

 石川が指揮官の期待に応え、根尾も後輩に先を越された悔しさをバットにぶつけてくれたら…。期待の若手が覚醒するまで、まだ時間が掛かりそうである。

(スポーツライター・飯山満)

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