ウラル山脈に雲隠れ? プーチンが助言を求めた「最も命を狙われた男」とは

 ウクライナ侵攻を巡りロシア軍も多大なる痛手を受ける中、それでも頑なに突き進むプーチン大統領。その一方で、暗殺を恐れ雲隠れしているとも言われる中、ロシア出身の資産家がプーチン氏の“首”に懸賞金をかけ、話題になっている。

 懸賞金をかけたのは、建設会社や銀行の経営などを手掛けるロシア人実業家、アレックス・コナニキン(55)という人物。

「ソ連崩壊後、米国へ政治亡命、現在はアメリカを拠点にビジネスを展開しているコナニキン氏が2日、自身のSNSに〈ロシア国内法および国際法の下でプーチン大統領を戦争犯罪者として拘束した者に100万ドルを支払うことを約束する〉と投稿。『暗殺』ではなく『拘束』という言葉を使ってはいるものの、民間人が一国の大統領の首に懸賞金をかけるなど、前代未聞。しかも日本円にして1億円を超える金額ですから、金目当てにクーデターを画策する輩が現れないとは言い切れず、ウクライナ政府関係者からも、期待の声が上がっているようです」(ジャーナリスト)

 だが、当のプーチン氏については「ウラル山脈の隠れ家に身を潜めている」「家族とともにシベリアの地下シェルターに避難した」など、いくつかの説が漏れ伝わっているものの、居場所は断定できていないのが現状だ。

「実はこれまでにも、プーチン氏の暗殺未遂事件は起こっていて、明らかになっているだけで5回。有名なのが2008年に起こった事件で、この時は赤の広場の近くで開かれたコンサートに出席するため、プーチン氏が門を通り抜けようとする直前、すんでのところで狙撃者が逮捕されたと現地タブロイド紙が報じました。この事件以来、護衛を増員するなど警備を強化したといわれます」(同)

 身の危険を覚えていたからか、プーチン氏は自分と同様、日々暗殺の危機にさらされながらも90歳まで生き切ったキューバの革命家、故カストロ議長に助言を求めたことがあったのだとか。

「カストロ氏は、1959年のキューバ革命でアメリカの傀儡政権を武力で倒し、キューバを社会主義国家に変えた英雄として知られる一方、実は638回も命を狙われ“最も暗殺されそうになった人物”として、ギネスブックにも載っています。アメリカはカストロ政権を転覆させるため、『ブルータス作戦』などの暗殺計画を遂行。後に明らかになったCIAのメモによれば、カストロ氏が好む葉巻の箱に、口にくわえただけで死に至る強毒性のボツリヌス菌を仕込んだり、カストロ氏がダイビングを行う場所に貝殻爆弾を仕掛けようとしたり、慢性皮膚疾患を引き起こす菌をダイビングスーツの内側に仕込む、結核菌で汚染された呼吸器具を用意する…なども計画されたそうですが、すべて失敗に終わったそうです。ただ、裏を返せばカストロ氏は暗殺を恐れ、それほど身の回りすべてに気を配っていたということ。プーチン氏の質問に対しカストロ氏は『(暗殺されない理由は)常に自身の安全について、私が個人的に対処していたからだ』と答えたそうですが、プーチン氏はそんなカストロ氏をリスペクトしていたのかもしれません」(同)

 生前には「人間、死ぬときはどこにいても死ぬ。自分の命を惜しんで、こそこそ隠れているような指導者に一体誰がついてくるというのだ。どんなに貧しくても飢えて死ぬことはない国、それが祖国キューバだ!」と語っていたカストロ氏。プーチン氏はこの言葉をどう聞くのだろうか。

(灯倫太郎)

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