ロシアによるウクライナ侵攻が始まり1週間が経った。3月3日の「めざまし8」では、ウクライナの女性国会議員や「元ミス・ウクライナ」の肩書きを持つ女性が次々と銃を手に取る姿を紹介。義勇兵に志願したウクライナ人女性はVTRの中で「男性と一緒に防衛隊に参加して必要な支援をしていきたい」とコメントしていた。
「祖国防衛のために命を落とすということが、一択になるということはボクは違うと思うんですね。今、ウクライナの方々が一生懸命、命を懸けて戦っていることには敬意を表しますけれども、本当にそれだけなのか」
ウクライナ出身の政治学者・グレンコ・アンドリー氏に疑問を投げかけたのは元大阪市長の橋下徹氏だった。続けて「ロシアが瓦解するまでちょっと国外で退避してもいいじゃないですか」と持論を展開。さらに、「命を懸けて戦う人は頑張ってもらいたいけれども、アンドリーさんのように日本で暮らして時間を稼げることもあるんだから、ぜひ若者には声をかけて日本にどんどん来させてもらいたいんですよ。国外退避もひとつの選択肢としてあるんですよ」と訴えた。
これにアンドリー氏は「もしここで降伏してロシアに全土を占領されたら犠牲者は増えるだけなんです」「制圧されたら殺戮が始まります」と述べて、徹底抗戦したほうが最終的には犠牲は少なくて済むと主張。橋下氏は現在、ウクライナでは18歳から60歳までの男性は国外に退避できない現状や過去の太平洋戦争下の日本に触れて、「若者には国外退避を勧めるべきですよ」と話すと、アンドリー氏は「国外退避させないからといって全員が戦闘に行かされるべきではない」と救援活動や後方支援の人員の必要性を説いた。
それでも橋下氏がウクライナ人の国外退避を見据えて「10年、20年がんばりましょうよ」「そこからウクライナを立て直してもいいじゃないですか」「プーチンだっていつか死ぬんですから」と命を最優先させるべきとの持論を述べ、これにアンドリー氏は「その20年後、ウクライナ人残りますか」「仮に100万人が逃げたら4000万人が逃げられません」と反論。プーチンの寿命についても、「彼は元気ですよ。70で。あと20年間生きるかもしれない」「次に似たような指導者が出たら結局それが続くんですね」「330年、ロシアの支配が続いたので」と弾圧の継続性を指摘した。
国外退避か戦闘か…。プーチン大統領(69)の寿命にまで及んだ両者のコメント合戦は徐々にヒートアップ。2人の激論がおよそ5分におよんだところで、MCの谷原章介が「橋下さん、やっぱりこれはウクライナの方にしかわからない歴史的な背景みたいなものがあるのかもしれません」とコメント。「いや…」と橋下氏はまだ話し足りないそぶりを見せたが、これにはネット上に《谷原さんがいなかったらアンドリーさんが不快なままで終わってた。ありがとう》《谷原さんのジャッジにホッとした》《歴史的背景がありますから…まさにその通り》《谷原さんよく止めてくれた》と称賛の声が相次いだ。
グレンコ・アンドリー氏には、今後もウクライナ人の気持ちを日本のメディアで代弁してほしい。
(石川ともこ)