昨年7月の東京オリンピック開会式に映像出演した劇団ひとり。その活躍は著しく、同年12月に監督・脚本を担当したNetflixオリジナルドラマ「浅草キッド」が配信されると、「総合TOP10(日本)」で1位に。大みそかの「第72回NHK紅白歌合戦」(NHK総合)にもVTRで出演した。
劇団ひとりほどではないが、芸事ではない分野で才覚を発揮するお笑いタレントは少なくない。オオカミ少年・片岡正徳はそんなひとりだ。青山学院大学卒で、慶應義塾大学大学院修了という高学歴。「片岡探偵事務所」代表取締役で、現役の探偵でもあるため、経験談をイベントやテレビ、雑誌で披露。芸能界の伝説やゴシップの語り部としての顔を併せ持つ。
「さらに、構成作家でもあります。ジャニーズ系に強く、解散したV6にとって最後のレギュラー番組だった『アメージパング!』(TBS系)や特番『V6の愛なんだ2020』(同)に携わっていました。昨年までは、ジャニーズWESTの桐山照史が司会だった『歌ネタゴングSHOW 爆笑!ターンテーブル』(同)も担当していました」(芸能ジャーナリスト)
作家業は順調で、今年は「NON STYLE井上のバズらせJAPAN」(サンテレビほか)がスタート。芸人以外の収入で生計を立てている。
片岡は吉本興業所属。同じく吉本の元コンビ芸人で、11年まで「カリカ」として活動していたのはマンボウやしろ。解散後はピン芸人に転向したが、16年に引退。現在は脚本家、演出家、ラジオパーソナリティーとして引っ張りだこだ。20年は「絶メシロード」(テレビ東京系)、「病室で念仏を唱えないでください 〜サトリ研修医・田中玲一〜」(Paravi)、「あのコの夢を見たんです。」(テレ東系)の脚本を書いた。昨年は「お耳に合いましたら。」(同)に脚本家として参加している。
「書き手で成功した元芸人といえば我人祥太もいます。元『チャランボ』でコンビ活動、ピン転向後は『R-1ぐらんぷり2010』のファイナリストになりました。でも、翌11年にひっそり引退。近年は放送作家、脚本家としてドラマや映画に大忙しです」(前出・芸能ジャーナリスト)
昨年は「TOKYO MER~走る緊急救命室」(TBS系)のスピンオフストーリー「TOKYO MER~走らない緊急救命室」を書きあげた。主演は中条あやみ。“走る”に対抗した“走らない”は脱力系コメディで、元芸人として腕の見せ所といえた。昨年11月には、かが屋・賀屋壮也、「キングオブオント2021」優勝者の空気階段・鈴木もぐらほか、イケメン俳優が多く出演したドラマ「フレンドシップ」(BS日テレ)に脚本家として関わった。
才覚は身を助く、のだ。
(北村ともこ)