ニッポン放送の「テレフォン人生相談」といえば、1965年放送スタートの超がつく長寿番組。毎回、相談者が人生の悩みを打ち明け、各ジャンルの専門家が親身にアドバイスを送るという内容。実際の人生相談は収録が1時間以上におよぶこともあるようだが、およそ15分に編集されて平日の午前11時から放送されている。
1月25日放送回で取り上げたのは70代女性の人生相談だった。50代の息子は素行が悪く、塀の中とシャバを行ったり来たり。違反薬物を使用した罪で現在も収監中だが、気がかりなのは、面倒を見ている息子の子供、つまり孫の存在。孫に父親の犯歴や服役生活などについて話すべきかどうか…。そんな相談を弁護士先生に打ち明け、SNSでは大反響を呼んでいた。
《息子が刑務所に…心の支えがお孫くんか…なんか複雑》《父親はどうしようもないけど、「早く就職して稼いでくる」っていい孫やな》《おばあちゃん、もう養子縁組してるんだから答えは出てる気がする》《お孫さんの高校生くん、お父さんのことは気にせず一生懸命生きてほしい》といった感想がSNS上に寄せられていた。
「前日の1月24日にオンエアされたのは夫と別居中だという女性の相談。子供とも離れ離れになって、独りぼっちで寂しいという内容でした。幼児教育の専門家が対応したのですが、電話相談の途中で泣き崩れて過呼吸のような状況になって、『息吸って、吸って、ゆっくり吐いて〜』といたわる一幕も。この時も聴取者はリアルタイムに反応し、《相談者の女性、落ち着いて》《自分を見つめなおして別居解消できるといいな》といったコメントが寄せられていました」(メディアウォッチャー)
番組の終わりには心理学者でパーソナリティの加藤諦三氏が「他人に自分の価値を判断させてはいけないということ」「否定的な人間に自分の価値を判断させてはいけません」とコメント。Twitter上では、この加藤氏の“格言”を引用するつぶやきが散見された。
「長い歴史を持つ番組ですが、なぜかradico(ラジコ)のタイムフリー機能で聞くことができないんです。つまり、聞き逃し厳禁。リアルタイムで聴取して、SNSに感想を書き込むのが、ひとつの楽しみ方として番組リスナーの間で定着しているようです」(メディアウォッチャー)
コロナ禍ということもあって「身近に相談できる人がいない」というケースも増えているのだろう。悩める人のため、50年以上続く長寿番組がこの先10年、20年と続くことを願ってやまない。