段ボールで工作した小道具を使って、独特なお笑いネタを披露する〝もう中〟こと、ピン芸人のもう中学生。小道具は全て本人の手作りだと思われていたが、〝ゴースト作家〟が存在することが1月13日発売の「週刊文春」でわかった。
記事によると、ゴースト作家はもう中学生と同じ吉本興業所属のピン芸人のツクロークン。2人は2014年頃に知り合い、もう中学生の指示書を元にツクロークンが段ボールなどで小道具を製作するようになったという。ただ、もう中学生はツクロークンに製作料は支払っていたが、「作っているのは自分だと言わないでほしい」と口止め。ツクロークンは製作者として自分の名前が世に出ることを望み、もう中学生に何度も直訴したが願いは叶わなかった。ついに21年12月頭、製作者を明かすよう、弁護士を通じて、もう中学生に通知したという。
「文春」が報じたゴースト作家騒動で思い出されるのは、14年の“佐村河内事件”。作曲家・佐村河内守氏は両耳に聴覚障害をもちながら数々の名曲を生み出し、「現代のベートーベン」とまで称賛されていたが、じつは作曲家でピアニストの新垣隆氏がゴーストライターを務めていたことを誌上で告発。新垣氏は記者会見を開き、佐村河内氏について「耳が聞こえないと感じたことは1度もない」ことも明かし、大波紋を呼んだことは記憶に新しい。
「同じゴースト騒動でも、もう中学生の場合はスケール感がいささか小粒。これまで『文春』がスキャンダルを暴いてきた有名人に比べても、知名度的に“もう”というより“まだまだ”といったところ。それが、もう中が発注時に添えた設計図や資料が複数点あることから、特集2Pにグラビア2Pが加わって合計4Pもこのネタに割かれています。これで分かったのが、ツクロークン宛てにもう中が書いた指示書が、イメージ図付きでかなり詳細だったこと。これにはネットの反応も《指示書ありで報酬も受け取っている。完全に下請け。ゴーストではない》《ちゃんと対価が支払われている。しかもアイディアはもう中学生》《もう中が再ブレイクしなければ、訴えたりしなかったのでしょうね》《これは誰も幸せにならないパターン》なとど、意外に冷ややか。どうやら佐村河内騒動の再来とはならないようです」(芸能記者)
それにしても「もう中学生」を「ツクロークン」が告発するとは、登場人物の名前に似つかわしくないトラブルである。
(石田英明)