「又吉ロス」の立浪竜が直面する衝撃の2022年問題とは

 2022年のオフは、もっと大変な事態になっているかもしれない。

 中日ドラゴンズは通算400試合に登板したセットアッパー・又吉克樹投手をフリーエージェントで手放してしまった。人的補償として実績十分の岩嵜翔投手を獲得したことでリリーフ陣の戦力ダウンは防げたが、21年の又吉退団は“チーム崩壊の序章”とはならないだろうか。

「21年は田島慎二、谷元圭介、祖父江大輔など、又吉の他にも複数の投手がFA権を取得しました。彼らを慰留するには、それなりの誠意を見せなければなりませんでした」(地元メディア)

 プロ野球界の誠意とは、カネだろう。コロナ禍により2021年は入場料収入が激減したが、球団は退団となった又吉に対して何度も話し合いの場を設けてきた。しかし、22年はもっと大変な慰留交渉の連続となりそうだ。

 予定通りに行けば、22年は投打の中核選手が揃って国内FAを取得する。

「高橋周平が国内FAを取得します。21年途中に交換トレードでやってきた加藤翔平、ピッチャーでは岡田俊哉、松葉貴大の両左腕も取得予定です」(同)

 高橋は21年シーンこそ成績を落としたが、4番も務めたことのある中核スラッガーだ。当然、残ってもらわなければならない看板選手である。21年オフの契約更改では500万円ダウンの7500万円でサインしたが、引き止める以上は22年の成績に関わらず、年俸アップと複数年契約を提示しなければならないだろう。しかし、こんな見方もされていた。

「20年オフ、高橋は昇給を勝ち取っても不満顔で会見に臨みました。『チームがBクラスだからと言って昇給幅を抑えられてきた。Aクラスになっても…』と、1時間以上に及ぶロング交渉の内情を明かしています」(スポーツ紙記者)

 同年オフ、高橋は3年連続打率3割の実績を持って交渉に臨んだが、1億円の大台には届かなかった。22年の慰留交渉は“信頼関係の構築”から始めなければならないようだ。

「ソフトバンク移籍後の又吉の新年俸が、中日の選手間で話題になっています」(前出・地元メディア)

 又吉克樹の中日での最終年俸は4200万円。残留していれば、66試合登板のチーム貢献度から大幅昇給は間違いなかったが、「1億円には届かなかっただろう」とも噂されている。ソフトバンクでの新年俸は、4年総額6億円。年俸に直すと、1億5000万円。単純に比較できないが、3倍強の昇給となった。

 岡田、松葉らが、又吉同様「他球団の評価を聞いてみたい」と雪崩を打つ…なんてことにならなければいいのだが。

(スポーツライター・飯山満)

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