「通天閣」に新アトラクション、全長60メートル絶叫「滑り台」の勝算は?

 コロナ禍の中、大阪府独自の警戒基準である「大阪モデル」が、約1年3カ月ぶりに最も安全な「緑信号」に切り替えられ、大阪の観光名所「通天閣」が柔らかな緑色にライトアップされてから約1か月半が経過。大阪の街も、賑わいを取り戻しつつあるようだ。

 そんな中、「大阪観光の起爆剤にしたい」として通天閣を運営する「通天閣観光」が、新たなアトラクションとして全長60メートルの滑り台「TOWER SLIDER(タワースライダー)」を設置することを発表。浪花の街が沸いている。

「予定されている滑り台は、通天閣の3階にある中間展望台から地下1階まで、エレベーター塔の外側に透明なチューブをらせん状に設置、通天閣を見上げながら高低差約27メートルを約10秒で滑り降りるというもの。通天閣観光によれば、最上部の乗り口に支柱を配したことにより、地震等の災害時でも安全性を確保。天井には耐候性に優れたステンレス製チューブ、スロープ部分は透明な遮熱素材を使用することで、通天閣を見上げながら滑降するというドキドキ体験を味わえるといいます。すでに設置工事に着手し、オープンは来年のゴールデンウィークとあり、地元の期待も膨らむばかりです」(地元記者)

 大阪のシンボルタワーとして知られる通天閣の歴史は古く、フランス・パリの凱旋門にエッフェル塔の上半分を乗せたイメージの、初代通天閣が建てられたのは1912年のこと。太平洋戦争中の1943年1月には、直下にあった映画館が炎上。大阪府に「献納」するという名目で解体されたのは、同年2月のことだった。

 2代目が再建されたのは1956年。地元有志から通天閣を再建したいという声があがり、「通天閣再建委員会」が設置されたのだが、初代通天閣のあった場所には既に民家が建ち並んでいたことから、ほど近い公園に再建されたのが今の通天閣だ。
 
 以来、60数年にわたり大阪のシンボルとして、市民に親しまれてきた通天閣は、これまでにも幾度かリニューアルを実施。2015年に屋外展望台「天望パラダイス」を設置したり、2019年には、跳ね出し展望台「TIP THE TSUTENKAKU」も開設した。

「とはいえ正直、今ひとつインパクトにかけていたことは事実で、ローカルな色合いが強かった。そんな中でコロナに見舞われ、緊急事態宣言で通天閣も休業や時短営業を余儀なくされるなど、大変な日々が続きました。でも、このままで終わらないのが大阪の底力。今回の『タワースライダー』をきっかけに、通天閣にも新世界にも人の流れが戻ることを期待しています」(前出記者)

 報道を受け、SNS上でも《滑り台が出来たら是非行きたい》《新観光スポット間違いなし》などと評判は上々。人気が出れば、次はてっぺんから「通天閣バンジー」なんてものありかも。

(灯倫太郎)

ライフ