就職情報サイト「マイナビ」から学生宛てに送られた企業体験募集メールの件名に「大東亜以下」と記載されていたと多くの就活生がSNSに投稿。ネット上では「学歴フィルターではないか?」と物議を醸しているが、果たして学歴フィルターのどこが問題なのだろうか?
12月6日午前、とあるユーザーがTwitterに件名が「〈第1〉大東亜以下⑨」となっているメールの画像を添付して「マイナビから送られてきたメールの題名が大東亜以下って露骨に学歴フィルターかかってて草 大事故だろこれ」と投稿。すると、「自分にも送られてきた」という就活生の報告が相次いだ。
「『大東亜以下』とは大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学の私立大学(大学名の解釈に諸説あり)をまとめた総称『大東亜帝国』以下の学歴の大学を指しているのではないかとネット上で推測され、また⑨がゲームから派生したネットスラング『バカ』を意味しているとする声もあることから、《学歴フィルターだ!》《学生をバカにしている》なと批判が殺到したわけです」(ネットライター)
炎上を受けて「マイナビ」は「配信いたしましたメールの件名について誤りがございました。深くお詫び申し上げます」と謝罪。「大東亜以下」と記載したことについては、就活生の相談事業を円滑に進めるため「大東亜以下」とそれ以外のグループの2つに分けていたといい、⑨は相談を担当するキャリアアドバイザーの数だったとして、「所属大学によってサービス内容が違うといったことはありません」と、学歴フィルターはないと説明している。
学歴フィルターとは、就職活動において特定の大学出身者が選考において優遇または冷遇されることで、2000年代に入ってから使われるようになった。18年には、某就活サイトで企業説明会にエントリーしようとしたところ満席となっていたものの、ユーザー登録情報を「早稲田大学」に変更したところ「空席あり」になったというツイートが話題となり、他の就活生が次々と実践し《本当だった》と物議を醸したこともある。
「企業側も応募するすべての就活生に対応は出来ませんから、ある程度、学歴によって事前に振り分けるフィルターは存在していると考えて間違いないでしょうし、それ自体は問題ないと思います。ただ、新型コロナウイルスの影響で就職難と言われている時代を考えれば、一生懸命就活している学生に『どんなに頑張っても自分は学歴フィルターで落とされている』と思わせてしまうのは、やる気を削ぐことになりますね」(就職アドバイザー)
意図がなかったとしても学歴フィルターがあると感じさせるような今回の件は、就職情報サイトとしてはいただけないミスだろう。
(小林洋三)