蛙亭や納言、相席スタートといった男女コンビが人気になっている。ラランドもそんな人気男女コンビの1組。今やレギュラー番組まで抱えている。
「M-1グランプリ2019」でアマチュアながら準決勝に初進出。その模様が「敗者復活戦」としてテレビ朝日系列で生放送されると人気に火がつき、翌20年からメディア出演が増えた。ボケ担当の女性・サーヤは、子役タレント出身。M-1のころは広告会社で働くOLであり、芸人と2足のワラジをはいていた。対するツッコミ担当のニシダは遅刻の常習犯で、典型的なクズ男。借金があり、肉親から縁を切られ、マッチングアプリでファンとつながるなど、クズ芸人としてキャラクターが確立していた。
大手芸能プロダクションからのスカウトを蹴って、今年3月に個人事務所「レモンジャム」を設立。社長はサーヤで、ニシダはずぼらな性格から平社員。副社長はマネージャーの橋本拓哉氏で、たった3人の少数経営だ。
「マネたく」の愛称で親しまれる橋本氏は、早稲田大学時代にお笑い工房「LUDO」に入部。OBには「キングオブコント2018」(KOC)王者のハナコ・岡部大、17年度のKOC準優勝コンビのにゃんこスター・アンゴラ村長、「第5回NHK新人お笑い大賞」(18年)の優勝コンビ・Gパンパンダの星野光樹と一平、「R-1ぐらんぷり2018」決勝進出者のカニササレアヤコなど、実力者がわんさかいる。
「橋本さんとサーヤ&ニシダは、大学の同期。ラランドは上智大学のお笑いサークル『SCS』時代に結成していて、橋本さんとは大学の学生芸人たちが漫才・コント・ピンの3種目で競い合うお笑い団体戦『NOROSHI』で何度も激突しています。当時からサーヤは天才。その才能には勝てないと思い、橋本さんはプロの芸人になることをあきらめたそうです」(週刊誌記者)
橋本氏は大学卒業後、大手芸能事務所のホリプロに就職。大物俳優の船越英一郎のマネージメントを担当した。ところが、19年11月ごろにサーヤからマネジャーのオファーがあり、ホリプロを退社。翌12月、M-1準決勝を機にラランドが本格的に芸能活動をするタイミングで、完全に腹をくくった。
人気芸人の躍進の陰にアマチュア芸人あり、なのだ。
(北村ともこ)