「過度の疲労」を理由に先月27日、都内の病院へ入院。今月2日に退院したものの、その後は登庁せず、11日に開かれた新型コロナのモニタリング会議へのオンライン参加も見送ったことで、体調が心配されている小池百合子都知事。
小池氏は6月末、都議選告示直前にも「疲労」を理由に入院したが、退院翌日には公務に復帰。「都民ファーストの会」を応援するため、意欲的に飛び回ったことは記憶に新しい。だが今回は退院しても公の場所に姿を現さないことから、一部メディアではCOPD(慢性閉塞性肺疾患)なのではないかと、具体的病名も取りざたされている。
「この病気は、たばこの煙などに含まれる有害物質に長期間さらされることで、肺が炎症を起こし呼吸機能が低下する、生活習慣病のひとつです。日本では女性よりも男性のほうが約2.5倍が多いとされていますが、いずれも喫煙者、あるいはかつて喫煙習慣のあった人が中高年になって発症するというケースが多い。聞くところ、小池氏も若い頃は愛煙家として知られていたそうですから、可能性はありますね」(医療ジャーナリスト)
場合によっては、肺炎や肺がんなど重篤な肺疾患につながる危険性もあることから、早期発見、早期治療が重視されているが、ある政治ジャーナリストはこんな指摘も。
「逆に病名がはっきりしているのなら、なぜ公にしないのかが不思議。定例会見などで小池氏がせき込む場面が多かったのは事実ですが、やはり、無免許で人身事故を起こして書類送検された木下富美子都議にけじめをつけられないことで、都民から猛烈なバッシングを受けているということが背景にあるのでは」
というのも、木下氏は大手広告代理店で広報として勤務していた2003年、当時環境大臣だった小池氏が手掛けた「クールビズ」キャンペーンに参画。その縁で2016年に小池氏主宰の政治塾「希望の塾」に入塾、翌年7月に行われた都議選で初当選し、昨年には都民ファーストの会東京都議団副政調会長に就任した、いわば愛弟子だからだ。
「師弟関係にあるからこそ、今回の問題で『木下氏にけじめをつけられない』批判の矛先が、小池氏に及ぶようになった。ただ、これまで木下氏が公の場に出てこなかったため、『会って話が出来ないから』という、のらりくらりが通じました。ところが9日に木下氏が登庁、引き続き議会に出席するとなれば、当然、小池氏も矢面に立たなければいけなくなる。仮に、小池氏が直接対面して説得しても、木下氏が辞任しないとなれば、小池氏批判が強まることは間違いない。小池氏の復帰が遅れている背景にはその辺りの事情も見え隠れします」(前出・ジャーナリスト)
そんな木下氏だが17日、「体調が再び悪化した」として都の議会局に欠席するとの連絡を入れ、18日の議会運営委員会を欠席、再び雲隠れすることに。報道を受けSNS上には《師匠も師匠なら弟子も弟子だ》といったコメントが続出したが、さて、この二人は世論の声をどう聞くのだろうか。
(灯倫太郎)