「ハリポタ」ゲーム早々の終了で「としまえん」跡地テーマパークに漂う暗雲

 モバイルゲームを制作する米ナイアンティックは11月2日、同社のブログでAR位置情報ゲーム「ハリー・ポッター:魔法同盟」を2022年1月31日をもって終了させると発表した。サービス開始から2年半というあまりに早い幕切れに、日本ではある懸念の声もあがっている。

 同ゲームは、社会現象を巻き起こした大ヒットゲーム「ポケモン GO」を制作したナイアンティックがワーナー・ブラザーズのゲーム部門と共同で開発。「ポケモン GO」と同じ位置情報ゲームだったことから“ハリポタ GO”の愛称で配信前から大きな反響を呼んでいた。しかし、サービスが開始すると「ポケモン GO」より操作が複雑で、《キャラデザインもリアルすぎて怖い》など批判的な意見も多く、サービス開始からわずか半年後の20年初め頃にはすでに利用者は激減。《プレイヤーが全然いなくてガラガラで、まるで廃墟のよう》と話題になっていたのだ。

 サービス終了に対してナイアンティックの開発チームは、「私たちが『ハリー・ポッター:魔法同盟』で目指したのは、何百万人ものプレイヤーが外に出て近所を探索する際に、魔法の世界を現実に感じてもらうことでした。私たちは2年間この物語を提供し、プレイヤーの皆さんとともに目標を達成することができました」と成功だったことを強調しているが…。

「『ポケモン GO』のシステムと『ハリー・ポッター』という世界的人気コンテンツを組み合わせたゲームだったので、とんでもないヒット作になるかと思いきや、状況を見れば大苦戦。『ハリー・ポッター』も第1作が発売されてから来年で25周年を迎えますし、以前ほど熱狂的なファンは少なくなったのかもしれません」(ゲームライター)

 そこで懸念の声が出ているのが、今年5月に着工し23年前半にオープンが予定されている、テーマパーク「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ―メイキング・オブ ハリー・ポッター」だ。

「『としまえん』跡地(東京都練馬区)が『ハリー・ポッター』のテーマパークになると判明した時、すでに《USJに「ハリー・ポッター」のアトラクションあるけど、東京にも同じようなものを作って大丈夫?》《今までひとつの作品だけをテーマにした遊園地ってないと思うけど、そんなに「ハリー・ポッター」って引きがあるの?》など心配の声が上がっていましたが、“ハリポタ GO”の状況を見ると、確かに前途多難な気配が漂ってきます」(経済ライター)

 開園直後から廃墟のようにガラガラなんてことにならなければいいが…。

(小林洋三)

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