バレーボール女子の国際大会、モントルー・マスターズで強豪・イタリアを破り決勝戦に進出、準優勝した日本代表。チームを率いる中田久美監督は、メンバー28人中8人を初選出し、10代が7人という編成を行った。この勢いをもって、東京五輪まで一気に駆け上がろうとしているようだ。
「中田監督はまず今年9月のワールドカップに照準を合わせています。東京五輪でメダルを獲得するには、チームのさらなる底上げが必要ですが、中田監督はやる気満々です」(スポーツ紙記者)
中田体制となって以来、男子顔負けの厳しい練習が続けられてきた。中田監督の鬼気迫る迫力と妥協しない姿勢は現役当時からだが、モントルー・マスターズ前の代表合宿は以前にも増してハードな練習だったという。それにはワケがあった。
「大手企業が中田監督のバレーボール人生を振り返るドキュメンタリー映像を制作しました。自己啓発のために、自社の入社式で新入社員にも見せたそうです」(体育協会詰め記者)
中田監督は15歳で代表入りするなど、華々しい競技人生を送った。強豪国に敗れると、その度に自分に厳しいノルマを課し、乗り越えてきた。そんな当時を振り返るインタビューをこの映像で受けたからだろう。”ギラギラした20代”を思い出したのか、今回の代表合宿ではいつも以上に厳しく選手に接していた。
「中田監督が解説者時代のことです。テレビ出演した代表チームがはしゃいでいて、その態度を一喝し、震え上がらせたのは有名な話。後輩たちはコワい先輩と位置づけており、妥協しない厳しさは代表監督になってさらに増しました」(同前)
大手企業が制作した中田監督のドキュメンタリーは、バレーボール関係者からも好評を博している。「今後の代表合宿で上映される」なんて話も聞かれたが、そうなったら、中田監督の闘争心がさらに燃え上るのは必至。バレーボール女子の躍進は楽しみだが、五輪前に選手がぶっ壊れるなんてことにならなければいいのだが…。
(スポーツライター・飯山満)