米ア・リーグ中部地区のホワイトソックスが9月23日(現地時間)に6度目の地区優勝を決めた。両リーグいちばん乗りでの優勝である。
「ホワイトソックスのポストシーズン進出は2年連続ですが、地区優勝は13年ぶり。ワールドシリーズ制覇を成し遂げた2005年のメンバーのなかには、現・千葉ロッテの井口資仁監督がいました。同年の開幕序盤は東京ヤクルトの高津臣吾監督もクローザーとして活躍していました」(ベテラン記者)
13年ぶりの地区優勝に導いたトニー・ラルーサ監督といえば、去る16日のエンゼルス戦で大谷が受けた死球を巡って、「故意か否か」で猛抗議している。通算91度目の退場となり、その多さに“熱血漢の指揮官”であることとともに、井口、高津両監督が在籍していたチームであることも、今回の地区優勝の一報で伝えられていた。
「高津監督が一軍監督に就任したのは、19年オフ。そのとき、ホワイトソックスの地元であるシカゴの地元紙が『かつてチームに在籍した井口、高津両選手が日本で監督になった』と紹介しています。ホワイトソックスのファンは覚えていなかったようですが」(米国人ライター)
元メジャーリーガーの監督。井口監督はワールドシリーズを制覇した05年メンバーだが、その後、フィリーズ、パドレスなどへ移籍を経験している。高津監督もホワイトソックスで90試合に登板しているが、井口監督同様、ファンに強いインパクトを残したわけではない。
「井口、高津両監督が今季、リーグ優勝を争っていることも報じられています」(同前)
こんな指摘も聞かれた。井口監督の千葉ロッテには佐々木朗希が、そして、東京ヤクルトには奥川恭伸がいる。両投手がメジャーリーグに挑戦するときを見越した報道ではないか、と。いや、気が早すぎるということはない。メジャーリーグのスカウトは直接指名することができないのに、春夏ともに甲子園大会に足を運び、有望な高校球児のレポートを作成している。NPBを経て、数年後の渡米…そんな近未来を見越しての調査、ネットワーク作りも当たり前のように続けられてきたのだ。
ホワイトソックスの地区優勝について、井口、高津両監督はどんな感想を持ったのだろうか。
(スポーツライター・飯山満)