大谷翔平「2桁勝利&2桁本塁打」を阻む”モヤモヤ”の正体

 日本時間9月20日、エンゼルスの大谷翔平選手が10勝目をかけてアスレチックス戦に先発したが、ベーブ・ルース以来、103年ぶりの快挙達成はならなかった。

「当初、大谷の先発は18日(同)のホワイトソックス戦が予定されていましたが、回避。疲労による右肘痛のためですが、試験的にブルペン投球をしたら、問題ナシと判断されたそうです。次に中6日で先発すれば、今季中にあと2回の登板が可能です」(米国人ライター)

 8回を投げ、2失点。奪三振数は10。むしろ、投球内容は良かった。快挙達成とならなかったのは、試合前に抱えていた“モヤモヤ感”のせいかもしれない。

「故意死球の一件です。18日、大谷は『2番・DH』で野手出場していますが、9回最後の打席で右ふくらはぎ付近にデッドボールを頂戴しています。それが故意にぶつけたものかどうかでモメています」(同前)

 審判団は「故意」と判断。当該投手のマイク・ライトが退場となり、3試合の出場停止処分となった。「故意ではない」と抗議したホワイトソックスのトニー・ラルーサ監督も「出場停止1試合」に処されたが、ライト投手とホワイトソックスは書面で不服の申し立てを行っている。

 大谷が先発した20日時点ではその申立書は審議中。ちょっと厄介なのは、死球を受けた18日の試合後、エンゼルスのジョー・マドン監督は「完全に報復だった。分かっている」と発言し、ラルーサ監督も「判定が公平だったとは思えない」(19日)と“応戦”したこと。報復とは、何を指しているのか?

「その2日前の同カードで、ホワイトソックスはヨアン・モンカダ、ルイス・ロバート、ホセ・アブレイユの3人が死球を受けています。その報復をされたと言いたかったようです」(現地関係者)

 しかし、3選手が死球を食らった翌日、両チームは平穏にゲームを終えている。大谷にも試合に出ていた。「1日空けてからの報復」というのも分からないが、このホワイトソックス戦での大谷の打撃成績は、13打数2安打7三振。3選手がぶつけられた報復として選ぶ相手ではなかったようにも思えるが…。

「ラルーサ監督の退場は通算91度目で、メジャーリーグ史上5位。今季開幕時点で歴代3位となる監督通算2728勝を挙げていた名将です。でも、今季は10年ぶりの現場復帰でした」(前出・同)

「故意か否か、本当に分かるのは打席にいた大谷」との声も聞かれた。名将の顔を立てて事情聴取となった場合、大谷も審判団に質問されることになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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