抜群の存在感を放つ演技派俳優として多数の映画・ドラマに出演しながらもその地位を捨て、政治家に転身した山本太郎氏。現在は参議院議員2名が所属する野党、れいわ新選組の代表を務め、この秋に行われる衆院選では議席獲得を目指し、自身も出馬する予定だ。
そんな同政党が選挙マニュフェストとして掲げたのが「れいわニューディール」と名付けた総額100兆円規模の経済支援策だ。
1930年代に世界恐慌から回復するため、大規模な公共事業によって雇用を創出した米国のニューディール政策から拝借した呼び名だが、その中身は大きく異なる。
「通信費や光熱費、雇用保険に年金といった社会保障費の3カ月間免除などを打ち出していますが、なかでも柱となるのは国民1人あたり20万円×3カ月の総額60万円の給付金。その名もズバリ〝メロリン給付金〟と言います」(政治記者)
アラフォー以上の世代は、この名前にピンと来た人も多いだろう。山本太郎氏が芸能界デビューしたきっかけは、素人だった高校生時代に出演した『天才たけしの元気が出るテレビ』の人気コーナー「ダンス甲子園」。そのときに毎回踊りながら叫んでいた決めゼリフこそが「メロリンキュー!」で、これに引っかけて名付けたというわけだ。
「ただし、本人が思いついた名称ではないようです。昨年、山本代表が報知新聞の取材を受けた際、党の政策として給付金について語り、記者がメロリン給付金という愛称を提案したところ、本人が気に入ったようです。実際にそのやりとりも含めて記事になっています」(同)
確かに、名前のインパクトはあるし、そのおかげでメディアでも取り上げられている。ネット上では「ふざけすぎ」「政策内容が頭に入ってこない」といった批判的な投稿も見られるが、「メロリン給付金が欲しい!」といった評価する書き込みもかなり多い。
「ネーミングのイメージに反して低所得者層に寄り添った内容になっており、政策としても十分評価できます」(同)
政府もこのくらい思い切った支援策を行ってくれるといいのだが……。