五輪で不審の鈴木誠也が高評価の理由 侍ジャパン「メジャー移籍」狂騒曲【後編】

 投手で次に名前が挙がったのは、ソフトバンクの千賀滉大(28)だ。MLB評論家の友成那智氏が言う。

「山本同様、高低に投げ分けられる千賀の評価は以前から非常に高かった。19年なら、5年総額1億ドル(約110億円)ぐらいの契約が見込めたでしょう。ただ、20年からはアメリカもコロナ禍で、各球団の予算が限られて大型契約が減ってきた。それに伴い、加齢やこの春からのケガもあり、千賀の評価は一時急落していました。それでも復帰後の五輪で2試合、セットアッパーとして無失点に抑え、評価が少し戻ったようです。今なら2年2000万〜2500万ドル級の契約が見込めるのではないでしょうか」

 ほか、メジャー担当記者が複数投手の名を挙げる。

「2勝3Sとアピールした広島・栗林良吏(25)はスカウト陣のチェックボックスに入りました。ルーキーですから、経過観察の状態ですね。メジャー復帰を目論む楽天の田中将大(32)は、米国戦でマイナー中心の打線に打ち込まれ、窮地に立ちました。『ヤンキース限定』の復帰願望でなければ、ロイヤルズなど興味を持つ球団がいくつかあるようですが、楽天の年俸9億円を超える契約は難しいでしょうね。あとはケガで出場辞退した巨人・菅野智之(31)ですが、すでに各球団は興味を失っています。去年蹴った評価が上限で、旬は過ぎてしまったと考えられています」

 菅野は山本にメジャー評価はもとより、モデルの彼女も奪われてしまったようだ。野手に目をやると、活躍したヤクルト・村上宗隆(21)が急上昇。が、意外にもそれを上回る高評価を得ているのが、五輪では不振だった広島の大黒柱、鈴木誠也(27)だという。

「フランチャイズにアジア系が多い球団は、日本人スターを求めています。すでに代理人も動き出し、ドジャースがマークしているとも。どの球団もファイナンシャルプランナーを入れて広告費の何%が日本から得られるかをはじき出しており、毎日出場できる野手は経済面でも魅力的なんです。大谷ほど何でもできるわけではないにせよ、誠也は走塁も守備もいい。打つだけの村上よりも計算が立ちやすいんです。広島では前田健太(33)のような前例もあり、チームの優勝などを条件にポスティングを勝ち取ることも十分に可能です」(メジャー担当記者)

 果たしてこの中から「ネクスト大谷」級のヒーローは現れるだろうか。

*「週刊アサヒ芸能」8月26日号より

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