杉本彩が巻き込まれた9億円「詐欺的商法」の「広告塔」顛末

〈杉本彩さんがPRするダイエットサプリを「初回500円」で購入したのに定期購入縛りがあった〉

〈杉本さんが宣伝していたので購入したら、詐欺にあいました。Binaris(ビナリス)というサプリを購入した方はいますか〉

 次々にネット上で悲痛の声が上がったのは、コロナ禍で自粛太りに悩む人が増えた昨年の夏頃だ。

 実際、YouTube上には、杉本彩(53)がセミナーで、問題となった「ビナリス」なる商品を手にしている動画がアップされ、

「食べるものの品質、徹底的にこだわっています」

 とのコメントまで紹介。動画を見たファンは「杉本彩のお墨付き」と認識してしまったようである。

 しかし、冒頭のような苦情が寄せられたことで、消費者庁は1月13日に「ビナリス」を販売した株式会社Super Beauty Labo(スーパービューティーラボ)に特定商取引法違反で3カ月の業務停止処分を命じたのだ。

 消費者庁の発表によると、同社はサイト上で「いつでも休止OK」と記載しながらも、解約方法を明記せずに5カ月分の「契約縛り」を小さく表示していた。昨年4月から12月に消費生活センターへ寄せられた苦情相談は4501件、18年5月から20年11月の売り上げは約9億円にも上るという。

 昨年7月にビナリスを購入した20代女性に話を聞いた。

「悪玉コレステロールの数値が高かったので、お試し感覚で申し込みました。5回縛りの契約なんて目に付く場所にはなかったです。結局、私は初回の550円と途中で解約した場合の違約金を合わせて1万1803円を支払うハメになりました。解約するにも電話がまったくつながらないので、3日間かかりました」

 別の30代男性は肩を落としてこう訴える。

「初回のみの購入で解約手続きしたはずなのに、代引き宅配便で勝手に送りつけられました。最終的に弁護士に依頼して内容証明を送り、なんとか解約しましたが‥‥」

 消費者庁が「詐欺的な定期購入商法」と断じる手法で荒稼ぎした同社は、業務停止処分を受けて〈お客様の信頼を失うような事態を招いてしまい、誠に申し訳なく、ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます〉と、公式サイト上でコメントを出している。

 くしくも詐欺的商法に加担する形となった杉本サイドは何と答えるか。所属事務所の担当者が顛末を明かした。

「杉本が広告塔になった事実はありません。昨年、美容に関するトークイベントに出席した際に、ビナリスという商品を持つように指示され、写真を撮ったのは事実ですが、PRという認識はなく、対価も受け取っていません。そればかりか、勝手に広告に使用されて、事務所に商品の解約に関する苦情が殺到して、こちらも迷惑を被っていました。事務所としても販売元に抗議し、代理店を通して謝罪をいただいております」

 杉本も「被害者」だったというわけか。改めてスーパービューティーラボ社の代表番号に電話をかけるも、つながることはなかった。

「ビナリスの公式販売はすでに終了し、解約手続きなどについては、公式LINEなどで応対しているようです」(別の購入者)

 ダイエットサプリの販売者は腹を割って被害者と向き合うべきである。

*「週刊アサヒ芸能」8月12・19日号より

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