侍ジャパンの五輪直前試合で「楽天が可哀想…」の声が出るワケ

 東京五輪を戦う侍ジャパンの直前強化試合スケジュールが発表された(6月14日)。それと同時に聞こえてきたのは、「楽天が可哀想…」の声だ。

「7月28日の五輪初戦に備え、24、25日に試合が組まれました。24日は東北楽天、25日は巨人との一戦になります」(スポーツ紙記者)

 関係者によれば、昨年11月か今春開幕前に海外チームとの試合を組みたかったという。それができなかったのは新型コロナウイルスの影響に尽きるが、楽天、巨人との強化試合は12球団から集められた精鋭を一つのチームにまとめるためにも重要な一戦となる。

“ぶっつけ本番”ではいくら精鋭たちでも、本領を発揮できない。意義のある試合となりそうだが、問題は24日の楽天戦だ。

「出場チーム全ての組み合わせ抽選が終わっていませんが、日本は決勝トーナメントに進出すれば、最大で6試合もデーゲームを戦うことになります。そのため楽天戦はデーゲームで行われることになりました」(球界関係者)

 楽天とのデーゲームは、稲葉篤紀代表監督の強い要望によって決まったという。12球団は「侍ジャパンに協力する」と申し合わせているものの、楽天がビンボーくじを引いた観は否めない。というのも、25日の巨人戦は同じ楽天生命球場で行われるが、ナイトゲームだからだ。

「五輪の舞台となるのは、福島県営あづま球場と横浜スタジアムです。両球場とも人工芝で照り返しによる暑さ、光の反射具合、それから水分補給のタイミングを習得するには予行演習のデーゲームが欠かせません」(前出・スポーツ紙記者)

 今さらだが、プロ野球では7、8月の炎天下のデーゲームを避け、涼しいナイトゲームを行っている。猛暑を避けるためであり当然、選手のパフォーマンスに影響してくる。

「二軍は真夏でも日中に試合を行うことかあります。かといって、二軍メンバーを主体にして対戦するわけにもいきませんし…」(前出・同)

 楽天の関係者は“オトナの対応”として、炎天下に行われるデーゲームに不満を口にしていないという。「高校野球はどうなんだ?」と突っ込まれそうだが、楽天ナインは相応の負担を強いられることになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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