ダイソーが「100円オーバー」ショップを開店、新業態の裏にコロナ後の戦略

 100円ショップ大手「ダイソー」を展開する大創産業が、110円以上の商品も扱う新業態「Standard Products by DAISO」の1号店を渋谷マークシティに3月26日にオープン。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要で100円ショップは軒並み好調を記録しているが、そんな中での新業態挑戦の背景には何があるのか。

「新たなショップでは、生活雑貨やキャンプ用品、リビング用品など同社オリジナルブランドを1300品がラインナップされるといいます。商品価格は330円を中心に、110円、550円、770円、1100円のものが用意されるそうですが、ダイソーの若い女性向けの300円ショップ『THREEPPY』とは異なる展開となるそうです」(情報誌ライター)

 帝国データバンクの調査によると、100円ショップ業界大手5社を中心とした20年度の売上高は11年連続で増加していることが明らかとなっており、「セリア」は売上高が過去最高を更新すると見込まれている。なお、未上場で決算情報を発表していない大創産業もかなり好調な売り上げを記録したと言われている。

「そんな中で100円ショップをさらに充実させるのではなく、様々な価格帯の商品を扱う新業態を始めるのは、100円ショップ市場がすでに飽和状態という前提があるからではないでしょうか。20年度に過去最高の売り上げを記録したのは、コロナ禍で消費者の節約志向が強まったところが大きいですし、緊急事態宣言も解除され消費者の消費意欲は安さよりもちょっと良いものを選ぶようになっていくと思われます。大創産業はまさにその需要を狙っているのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)

 ただ、ダイソーといえば100円ショップのイメージがあまりにも強いので、それ以上の価格帯でダイソーのオリジナル商品を選ぶのか。疑問の声も上がっている。

(小林洋三)

ライフ