カギは”19万筆”の署名「夏の横浜市長選」カジノ反対派の勝算は?

 今年、横浜市では8月29日の市長の任期切れをもって市長選が行われる予定だが、横浜市が進めようとしているカジノ誘致に反対する市民団体「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」が発足し、3月16日に市庁舎で会見が行われた。

「現職の林文子市長は前回の2017年7月30日に行われた選挙ではカジノについては『白紙』として当選しましたが、19年8月になって一転、誘致を積極的に進めるとしてカジノ反対派からバッシングを浴びました。その流れの中、どうしてもカジノは容認できないという市民団体『カジノの是非を決める横浜市民の会』が発足。昨年9月4日から11月4日までの2カ月間、カジノの是非を問う住民投票の実現のための署名活動を行ってきました」(取材記者)

 集まった署名は法定数(有権者の50分の1)を3倍も上回るなんと19万3000人分。だが、これを受けた議会の決定はなんともあっさりしたもので、この住民投票条例案は1月の本会議でわずか3日の審議を経て否決されたのだ。今回の新団体は、そうした経緯を経て結成されたもの。

 会の目標はその名の通り「カジノ反対の市長」を当選させることだ。と聞けば、よくある市民運動の野合のように思われるかもしれないないが、その力は決して侮れない。というのも、新団体は憲法学者の小林節氏や元横浜市議の藤田みちる氏が共同代表を務め、彼らは前団体のトップから横滑している。つまり、会の名前は変わっても中身は同じで、実績から言えば19万3000人のカジノ反対の声がバックにあるということだ。

「前回選挙での林市長の得票数が約59万8000票なので、19万3000筆という数字は単純計算で得票の約3分の1に相当するのでかなり大きな数字です。カジノ誘致の是非を最大の争点として野党連合を図ることになり、さらには、カジノに眉をひそめる自公支持者を1人でも多く取り込んで、カジノ反対の市長を擁立しようということでしょう」(前出・記者)

 林市長は、公約の白紙撤回といい、住民投票の実現をわずか3日で退けたことといい、市民の心証が悪い。争点によっては、団体の目論見通りの選挙戦に持ち込めるかもしれない。

 横浜と言えば菅首相の地元。当然、カジノの誘致は首相の肝いり案件でもある。ただし、コロナ対策、オリパラの実現、9月末に迫る自民党総裁任期、10月衆院任期切れでの解散時期…と問題山積。そのうえお膝元の横浜市長選となれば、菅首相の深い悩みは秋まで続きそうだ。

(猫間滋)

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