ペーパードライバーのように教員免許を持っていながら教職以外の仕事に就いているペーパーティーチャー。学校現場における教員不足の要因のひとつにも挙げられているが、その数はなんと400万人以上。しかも、この中には有名人も数多く含まれている。
特に有名なのが高校の数学と小学校の教員免許を所持しているB‘zの稲葉浩志（56）。だが、教育実習中に髪を切るように言われてこれを拒否。そのときの校長の態度が気に入らず、教職を断念したと後に語っている。つまり、このとき何も言われなかったらB’zは誕生していなかったかもしれないのだ。
また、両親が教師だった俳優の大泉洋（47）も高校の地理歴史と公民の教員免許を持ち、本人もそのエピソードをテレビで語ったことがある。ただし、教育実習中は淡々と授業を行い、バラエティ番組で見せるようなトークで生徒を笑わせることもなかったようだ。
ほかにも中島みゆきや大友康平、武井壮、叶美香、壇蜜といったそうそうたる顔ぶれが並び、山内健司（かまいたち）、哲夫（笑い飯）、おばたのお兄さん、渡辺江里子（阿佐ヶ谷姉妹）などお笑い芸人にも多い。
また、最近は音楽プロデューサーとしての活躍が目立つミュージシャンのm.c.A・T（59）は、高校と中学の国語、小学校、特別支援学級と教員免許を4つも所有。教員養成に特化した国立北海道教育大旭川校の出身で、デビュー当時の印象からは想像もつかない経歴だ。
「ある日突然、富樫（m.c.A・Tの本名）が教員を目指してた人間とは思えない恰好で『Bomb A Head!』って歌ってるCMが流れてたからビックリしました（笑）」と話すのは彼の大学の同窓生。確かに、あれが学生だったら間違いなく生徒指導の対象だ。
一方、30年以上にわたって「金八先生」シリーズで主演を務めた武田鉄矢（71）は、教員養成校の福岡教育大に入学するも7年間在籍して中退。教員免許は未取得のままだ。
一般的に教員を目指すのは、堅実な生き方を望むタイプが多いと言われている。いずれも芸能界で成功を収めたとはいえ、もともとは安定志向が強かったのかもしれない。
