1月22日、化粧品大手の資生堂が日用品を扱うパーソナルケア事業を香港の投資ファンドCVC Asia Pacific Limitedに売却を検討していることが明らかになった。同部門には「TSUBAKI」や「uno」「専科」といった数々の有名ブランドがあるため、ネット上では売却に対して驚きの声があがっている。
「資生堂によれば、2021年上半期をめどにCVCにパーソナルケア事業を譲渡し、同事業を運営する新会社の株主として参画することを検討しているといいます。なお、売却価格は1500億〜2000億円になる見込みとのことです」(社会部記者)
「TSUBAKI」や「uno」など有名ブランドが海外流出することにネット上では、《大々的にCMもやっていたブランドなのに、資生堂ですら守れなくなってしまったのか》《さすがに日本企業に売るわけにはいかないだろうけど、外資の手に渡るのは寂しいな》《今後は外資が生産するTSUBAKIがドラッグストアに並ぶ可能性もあるのか。何か変な感じだ》などの意見が寄せられていた。
「資生堂は新型コロナウイルス感染拡大の影響でインバウンド需要が激減し、また外出自粛やマスクの着用によって化粧品の販売が大きく落ち込み、20年12月期の連結最終損益は300億円の赤字となる見通しなので、パーソナルケア事業の売却にはその影響もあるのは間違いないでしょう。ただ、同社は『プレステージファースト戦略』として収益性の高い高価格帯のブランドやデジタル技術を活用した化粧品の非対面販売などを強化する戦略を打ち出していたので、同事業の売却は避けて通れなかったものと見られています」(経済ジャーナリスト)
資生堂ブランドを離れた「TSUBAKI」や「uno」にどれだけの需要が見込めるのか。愛用者は少なからずショックを受けそうだ。
(小林洋三)