昨年3〜4月には市内全域を対象に外出禁止令が発令。当局がドローンを使って監視するなど「世界一厳しいロックダウン」とも言われたアラブ首長国連邦(UAE)の都市ドバイ。1月中旬現在、出発96時間以内のPCR検査の陰性証明書の提示などの条件付きながら、観光客の入国も認めており、数少ない海外旅行可能な場所として世界的にも注目されている。
そんなドバイは中東を代表する経済と貿易の中心地。ただし、それ以外にアラブ世界では珍しく“ピンク産業の街”という別の顔もある。
同じイスラム教を信仰する国でも東南アジアのマレーシアやインドネシアは戒律も比較的緩くピンク産業が盛んだが、それに対してアラブ諸国は厳格なイメージが強い。UAEも金銭を伴う性的行為は違法で、卑猥な雑誌やDVDの所持も禁止だが取締りは厳しくないという。そんなドバイでピンク産業が発展した背景には、この都市が抱える“ある事情”が大きく影響しているという。
「実は、建設ラッシュが続くドバイには多くの出稼ぎ労働者が住んでいるため、住民の男女比は7:3と圧倒的に男性が多いんです。この状態でピンク産業を規制すると性的な犯罪が増える恐れがあり、そういった事情を鑑みて黙認していると言われています」
そう説明するのは、多数のドバイ訪問歴を持つジャーナリスト。実際、コロナ禍の前は旧市街有数の繁華街があるユニオン駅周辺の路上に大量のピンクチラシが落ちていて、地元のちょっとした裏名物になっていたとか。
「日本では一時期よく見かけた名刺大サイズのアレです。ドバイのピンクチラシも出張系業者のもので電話番号やサイトのURLが表記され、デザインもほぼ一緒。でも、女性はインド系やアフリカ系が中心で、アジア系は少数。それでも『日本にはいないタイプの女性と遊べる』と一部の駐在員や旅行者には好評です。昨年のロックダウン解除後は規模が縮小されながらも営業が再開されたという話を聞いています」(前出・ジャーナリスト)
ほかにもこっそりピンクサービスを行うマッサージ店のほか、ピンク嬢の持ち帰りが可能なディスコやナイトクラブなどもある。ただし、相場は安いところでも700ディルハム(約1万9800円)からと物価高の国らしく決して安くない。それでも海外から観光客が押し寄せる理由とは?
「性産業には大らかな面があるUAEとは裏腹に、隣国サウジアラビアで“体を売る行為”は死刑。ピンク産業の店がないため、わざわざドバイに遊びに来る男性も数多くいました」(前出・ジャーナリスト)
ドバイが観光客の受け入れを再開したことは、周辺国の遊び好きの男性たちにとっても朗報だったに違いない。
(T-Factory)