ドバイ万博、コロナ下最大の2500万人入場で危惧される感染爆発と新変異株

 10月1日にアラブ首長国連邦(UAE)で開幕したドバイ万博。来年3月31日までの半年間の開催で、約190の国と地域が出展。日本館では各種展示物のほか、次回2025年の大阪・関西万博についてもPR。さらに人気回転寿司チェーン『スシロー』をパビリオン内に期間限定でオープン。中東初出店、それも万博会場内の店舗とあってこちらも早くも話題を集めている。

 ちなみに入場目標には2500万人を掲げており、コロナ下における世界最大のイベントとなるが、気になるのはやはり感染の拡大。

 UEAの場合、どの空港から入国するかで条件は異なるが、ドバイなら日本人は出発前72時間以内のPCR検査の陰性証明書の提示でOK。コロナ前同様、観光目的なら入国時に30日の観光ビザが自動的に発給され、入国後の隔離措置もない。国によってはビザ発給が制限されていたが、万博訪問客受け入れのためにワクチン接種済みを条件に8月末から観光ビザ発給の対象国を拡大している。

 また、入国時とは別に万博会場でも入場時に陰性証明書かワクチン接種証明書の提示を義務づけている(※18歳以上のみ)。とはいえ、日本では東京五輪・パラリンピック期間中にコロナ感染者が激増したようにドバイ万博期間中に現地で感染が拡大する可能性がないとは言い切れず、中止を求める声もあった。

「一応、密対策として混雑している箇所があれば、約3万人のスタッフが迅速に会場整理を行う体制にはなっています。しかし、一般客の来場が可能な以上、東京五輪の選手村や会場に比べれば、甘い対応しかできないはずです」(ドバイ事情に詳しいジャーナリスト)

 それでもドバイは昨年春にコロナ対策として市民の外出を禁止するなど街を全面封鎖。世界一厳しいと言われたロックダウンを実施している。

「いざとなれば入場規制や一時的な中止などに踏み切るはず。ですが、これだけ世界中から人が集まれば、UAEだけの問題では済まされません。大規模クラスターの発生や変異株の恐れもあるでしょう。そういう意味でも今後を大きく左右するイベントになるでしょうね」(同)

 無事に閉幕してくれることを祈るばかりだ。

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