骨折による入院でも隔離措置?退院患者が明かす「コロナ指定医療機関」の緊迫

 新型コロナの感染者が急増し、ひっ迫する各地の医療機関。院内クラスターも次々と報告されており、もはやいつ医療崩壊が起きてもおかしくない状態だ。

 ただし、いくらコロナ禍だとしても他の疾患やケガで入院する人もいる。それで気になって調べてみたところ、「コロナ以外の患者も入院直後は隔離される」という情報を発見。でも、実際のところはどうなのだろうか?

 コロナ指定医療機関に勤める某医師は、「入院直後に隔離するのは、あくまでコロナの疑いがある患者のみ。全員というわけではありません」と否定する。それでも保健所から連絡があった患者については、PCR検査の結果が出るまでは個室に隔離されるという。

 9月に心臓の疾患で入院したライターのトシタカマサ氏も最初は病室(個室)から外に出ることが許されなかったそうだ。

「息苦しさを感じて街のクリニックで診てもらったところ、コロナの疑いありと保健所に連絡が行ったんです。それで翌日、迎えに来た全身防護服の保健所職員が運転する車で指定医療機関の大きな病院に搬送されました」

 病院ではまずPCR検査を受け、それから血液検査やエコー検査、CTなど心臓の精密検査を実施。医師からは心不全と診断されたがコロナを併発している可能性もあったため、検査結果が出る入院2日目の朝までは世話をする看護師も防護服を着用していたそうだ。

「特に循環器系の疾患で入院する人は症状の一部がコロナと被るため、隔離病棟ではないにせよ、最初は個室に入れられる患者が多いそうです。ただ、PCR検査で陰性との結果が出るまでは本当に気が気じゃなかった。あれは経験した人にしかわからないでしょうね」

 前出・医師は「保健所からの通報がない場合でも風邪に似た症状が出ている場合、隔離措置を取っています」とのこと。極端な話、骨折などで緊急入院した場合でも風邪を引いていれば隔離される可能性が高いということらしい。

 これもコロナの院内感染を防ぐための病院の防衛策なのだ。

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