「20万円の高額案件も…」違法性ゼロの運び屋 “ハンドキャリー”で稼ぐには?

 運び屋と聞くと、多くの人は密輸を想像するかもしれないが、あくまでそれは非合法なブツを隠して運んだり持ち込んだりする場合。実は、これとは一線を画す、「違法性のない荷物を人の手で運ぶ」というビジネスが存在する。それが「ハンドキャリーサービス」だ。

 例えば、企業が取り扱う商品サンプルや電子部品、機械部品などの中には、絶対に紛失や盗難を避けたい物も少なくない。特に海外だと途中で荷物が紛失するリスクが日本よりも高く、なかには空港職員や運送会社のスタッフが盗みをはたらくケースもあるという。

 そのため、一般にはあまり知られていないが、以前から企業の間では一定の需要があったのだ。

 実は、スタッフを登録制にしている業者も多く、そういう会社であれば副業で働くこともできる。ただし、届け先は海外のため、行先にもよるが3〜5日のまとまった休みが取れることが必須。それも急に依頼が来ることもあるので普通のサラリーマンには難しいが、最近増えているリモートワークに従事している方なら条件とタイミング次第では可能かもしれない。

 ちなみに日給は最低でも1.5万円。途上国や日本から遠い国、僻地などは報酬が高くなり、1日4〜5万円になる場合も。つまり、帰国まで5日の日数を要すれば、一度に20万円以上の報酬を手にすることができるのだ。

 当然、飛行機に搭乗する際、荷物は基本的に預けずに機内へ持ち込む。非合法ではないにせよ、届け先の国の空港の税関で止められる可能性もないとは言えず、その際に説明できる程度の英語力は必要だ。

 飛行機は依頼した企業にもよるがエコノミーではなく往復ビジネスクラス、渡航先の宿泊先も一流ホテルを用意されることが多いとか。しかも、無事に荷物を届けた後ならば、帰国便の時間までは自由に過ごせるため、半日~1日程度なら観光やショッピングも楽しめる。

 コロナの影響で今後は企業の海外出張が激減すると見られており、ハンドキャリーサービスの需要は高まると言われている。海外旅行好きの方にとっては、趣味と実益を兼ねたおいしいアルバイトになるかもしれない。

(高島昌俊)

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