「(ハロウィン客が)まったく来ないでくれということではなく、来る方々のモラル、渋谷を愛する気持ちにかけてみたい」
10月31日のハロウィンを前に渋谷区長が会見を行い、節度ある行動を呼びかけたのは22日のこと。例年、渋谷では仮装をした多くの若者が集結。近年は、器物破損や暴行といった犯罪行為や、路上での飲酒やゴミの放置といった迷惑行為が社会問題となっていた。
「昨年は路上での飲酒などを禁じる条例を施行すると同時に、駅周辺のコンビニエンスストアや百貨店などに酒類販売の自粛を要請。さらに1億300万円の補正予算を計上して、渋谷区独自で自主警備を強化したことで、大混乱は避けられました。ただ、今年はコロナ禍での開催となれば、渋谷で大量クラスターが発生する可能性は否定できません。まあ、区長としても当然の判断だったと思いますね」(全国紙社会部記者)
今年は10月24日の時点から駅周辺の路上で飲酒を禁止する条例を施行。当日は駅周辺のコンビニや百貨店、小売店など19社(店)に18時〜24時までの酒類の販売を自粛するよう依頼。街なかには監視台を10カ所設置し、100人程度の民間の警備会社のスタッフが警察と連携して警備にあたるという。
そんなこともあり、26日には渋谷への来街に代わり「自宅にいてもハロウィンとして、新たな価値や文化を発信したい」と渋谷区長自ら音頭をとったイベント「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」が開催、配信されることになっていた。
「ところが、ハロウィーンフェスへのアクセスが集中。結果、28日に延期になり、オープニングレセプションには、きゃりーぱみゅぱみゅがゲスト出演して、『ファッションモンスター』『Crazy Party Night〜ぱんぷきんの逆襲〜』など2曲を披露。アバターを通じて鑑賞した参加者からは多数のコメントが寄せられたのですが、やはり《バーチャルも面白いけど、生でみんなで盛り上がりたい》《1年に一度、ハロウィンで渋谷に行くのが楽しみだったのに残念!》といった声が多く聞かれ、いまひとつテンションが上がっていなかったことは間違いありませんね」(前出記者)
加えて、今年の10月31日は満月が予想されるが、そうなると、「ブルームーン」と呼ばれる満月になるのだとか。
「満月は、ほぼひと月に1回見られますが、それは月の満ち欠けが約29.5日周期で起こるからです。ところが、ごく稀なタイミングで満月が月に2回観測できることがある。 その2回目の満月が『ブルームーン』と呼ばれ、欧米では『ありえない』『めったにない』という意味で“once in a blue moon”のように使われています。なんでも『ブルームーンを見ると幸せになれる』という言い伝えもあるようです」(情報誌ライター)
ハロウィンの31日に満月になれば、実に1974年以来46年ぶりの奇跡というわけだが、
「46年前は、当然まだ日本にもハロウィン文化が浸透していなかったでしょうから、満月と重なったことを意識していいなかったはず。そういう意味では貴重な一日になるかもしれません。やはりリモートでは物足りず、かといって渋谷のような都心では街灯や高層ビルに遮られて思うように月が見られない。ならばいっそのこと近所の公園で……そんな若者も多いのではないでしょうか」(前出・情報誌ライター)
ちなみに、次に10月31日が満月になるのは、38年後の2058年とのこと。気になる天気は今のところ全国的に晴れマークなので、ハロウィンの夜は是非夜空を見上げ、46年ぶりの“奇観”を味わいたいものだ。
(灯倫太郎)