新人研修での性的ハラスメント報道で「すしざんまい」人材離れ危機

 今年も豊洲市場の初競りで最高級の大間の本マグロを、木村清社長が過去最高額の3億3360万円で落札し話題を呼んだ、「喜代村」。その喜代村が展開する人気寿司チェーンの「すしざんまい」にトラブルが発生した。

 新人研修を受けていた新入社員の女性が、指導を担当していた男性社員から数々の性的ハラスメント行為を受けていたことが、4月12日発売の「フライデー」に掲載された女性の告発によって明らかになったのである。
 
「記事によれば、担当の課長は研修初日から告発したAさんの肩に手を回したり抱き寄せたりし、徐々にそれがエスカレート。実技で包丁の使い方を練習する際には後ろから抱きつかれ、腰や胸を撫でられたという。他にも課長に胸のサイズを聞かれて黙っていると『触ればサイズが分かる』と鷲掴みにされたり、休憩時間にも呼び寄せられ仕方なく課長の膝の上に座ると、そこでも抱きつかれたりと、散々な目に遭ったということです」(エンタメ誌記者)

 たまらず、Aさんが職人養成所の事務長に相談したところ、セクハラ行為を謝るのみで対処はまったく行われなかったという。

「揚げ句、その後Aさんは体調を崩して『適応障害』と診断され、4月17日に退職届を出したそうです。弁護士を通して喜代村に抗議したところ、返ってきたのは“型通りの謝罪”と、慰謝料50万円を支払うとの回答のみ。精神的な苦痛を考えれば、明らかに安すぎるのでは」(夕刊紙記者)

 フライデーがさらに事実確認のため喜代村に取材したところ、「Aさんの気持ちを害したことを謝罪した」とし、50万円に関しては、Aさんの出勤日数は4日間だったが「Aさんから1カ月分の給与にあたる金額を支払うことで示談にするとの意向があった」という。

「課長の行為については、その取材に対し『熱心な指導を行っただけのつもり』とフォローしたというから聞いて呆れます。喜代村は初競りでド派手なパフォーマンスによるPRをしていますが、非上場のため実際の業績のほどは分かりません。ただし言えるのは、飲食業界全体が人材不足であるように、『すしざんまい』であっても同様の問題を抱えているということ。ただでさえ従業員の定着率が悪い上に、こうしたイメージを凋落させる問題が発覚した上に対処を誤れば、ますます人材は離れていくことになりますよ」(経済誌記者)

 突如、人気店にわいたハラスメント騒動。こうした時こそ“カリスマ”木村社長の出番だと思うが。

(小林洋三)

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