インドの九九は「20×20」まで!?「暗算能力検定」が年収アップにつながるワケ

 ひと昔前から盛り上がっている脳トレブーム。脳トレと聞いて真っ先に思い浮かぶのが「暗算」ではないでしょうか。

 暗算は実社会で役立つ場面も多く、重宝される能力の一つ。驚異的な暗算力を持つスーパー小学生がたびたびテレビ番組で取り上げられたり、暗算のコツを指南する書籍が発売されたりと、世間の関心は高いようです。

 そこで今回、ご紹介するのは「暗算能力検定」。その名のとおり、暗算による計算能力を測る検定で、日本珠算連盟(主にソロバンの検定試験を運営)が主催しています。

 それではさっそく例題を見てみましょう。電卓などを使わずに次の問題を暗算で答えてください。

〈問1〉424×65=?

〈問2〉7+7÷7+7×7-7=?

 答えは〈問1〉が「27560」、〈問2〉が「50」となっており、実際の試験では制限時間内に何十問もの問題に答えます。

 試験区分は大きく「級」と「段」に分かれており、級は10級から1級、段は凖初段から十段まで、計26段階に及びます。

 個人的な話でいえば、これまでの人生で勉強してきた数学や、計算問題が出る試験の対策では、やはり暗算のスキルが重要だったと感じます。数式や理論の理解ももちろん重要ですが、計算のスピードや正確性いかんで勉強効率が数倍は違ってくるからです。

 例えば、日本でおなじみの九九ですが、インドの小学校では「20×20」まで習うそうです。「19×18=342」と瞬時に答えられれば、何かと役に立つ場面もありそうですよね。

 また、実生活での買い物の場面に関していうと、小売店でよく見かける1980円の商品は10%の税込価格で2178円だと暗記しておけば、前もって小銭が用意できて、レジでの時間短縮にもつながります。

 私が買い物で暗算スキルを活用する場面としては、コンビニなどでの「○○円以上購入すれば、くじが引ける」という類いのキャンペーン。1円単位で計算して「あと28円でもう1回くじが引けるのか‥‥。それなら駄菓子でも買おうか」と、暗算することもしばしば(笑)。

 また、暗算など計算が得意な人はビジネスで成功しやすい、というデータもあるようです。

 経済産業研究所(RIETI)が大卒者1万人を対象に「高校時代の得意科目と年収の関係性」を調べたところ、数学が得意だった人は620万円で国語は437万円と、183万円も開きがあったそうです。

 数字に強い人は、物事をデータ重視で分析する習慣が身についているため、ビジネスでも成功しやすいのかもしれませんが、プレゼンなどの場でいきなり、

「その収益率で今期の利益はいくらになるんだ?」

 と聞かれて、パッと正確に計算できれば「デキる男」として頼られる存在になるでしょう。
 一流のビジネスパーソンを目指すなら、暗算力を高めてみてはいかがでしょうか。

儲かる指数:85

鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は約700。

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