出会いをサポートするサイトやマッチングアプリが登場する前、男女の出会いを提供していたテレホン系のマッチングクラブ。90年代半ばの全盛期には、渋谷や新宿、池袋にそれぞれ数十件規模で店があり、その数は全国で1000軒以上あったと言われている。実際、街では当たり前のようにテレホン系クラブの広告が入ったポケットティッシュが配られており、もらったことがある人も多いはずだ。
しかし、それから四半世紀が過ぎ、都内でも渋谷や新宿から店舗が消え、三大エリアでは池袋西口の駅前に1軒あるのみ。これはおなじみの大手チェーンの店舗だが、全国的にもここを含めて数えるほどしかなく、往年の勢いはない。
そんな絶滅危機に瀕しているテレクラだが、「パパ活女子がよく利用している」との情報を入手。真偽を確かめるべく、某日の昼間、“出会い聖地”として知られた都内某店に客として潜入してみた。
裏路地に面した入口には「テレクラ」と書かれた大きな看板があるが、外観のデザインはどこか店舗型のビデオ鑑賞店を思わせる。店内の雰囲気や個室の様子も似ている。記者は出入り自由の「2時間パック」で個室に入ると、すぐに最初のコール。相手は23歳の販売員。給料日前で金欠らしかったが話も早々に「ホテル別でイチゴー(1.5万円)」と向こうから条件を提示してきた。だが、待ち合わせ場所がやや離れており、時間も夜との指定だったので都合が合わず断念。
ちなみに2時間の間に彼女を含む6人からのコールがあり、うち5人がパパ活のお誘い。なかでも「近くにいる」と話していた21歳の女性と会うことに。事情を説明し、喫茶店でインタビューに応じてくれた彼女は都内でひとり暮らしをする女子大生。コロナの影響でバイト代が激減し、仕送りも少ないので生活費を稼ぐためにパパ活に手を染めるようになったという。
「マッチングサイトを利用することもあるけど、あっちは会うまで何度もやりとりしなきゃいけないから結構面倒なんです。その点、テレクラは店の近くで待ち合わせすればすぐ会えるし、お金がピンチのときはすごく助かってます」
出会い事情に詳しいライターによると、「コロナによる減給や失職で金欠にあえぐ女性たちが増えた影響か、テレクラなどの昔ながらのサービスを利用する女性も多い」と明かす。
確かに、電話した直後に近くで会える女性が多いテレクラは、女性だけでなく男性にとっても使い勝手がいいかもしれない。いつでも場所を選ばずに自分のスマホからアクセスできるマッチングアプリほどのお手軽さはないが、これはこれで案外便利だったりして!?
(平沼エコー)