昨年、過去最高となる180万人もの日本人が訪れたタイ。しかし、今年は新型コロナの影響で観光客は事実上の入国禁止措置が続いており、商用目的でもタイ大使館や領事館から入国許可証(COE)を入手する必要がある。
ほかにも英文で書かれた健康証明書、渡航72時間以内に発行された英文のPCR検査による新型コロナウイルス非感染証明書などが必要で、コロナ禍以前のよう自由に行き来できるようになるまではしばらく時間がかかりそうだ。
タイの首都バンコクといえば、日本人の中高年男性に絶大な人気を持つ街。毎年のように訪れるリピーターも多く、市内中心部のパッポン通りやタニヤ通り、ナナプラザにソイ・カウボーイといったエリアは観光客だけでなく駐在員にも人気で、毎晩多くの日本人男性たちが繰り出していた人気ナイトスポットだ。
「実は、7月からはタイ政府のコロナ対策が規制緩和され、パブやカラオケスナックなど歓楽街のお店の営業再開が可能になったんです」
そう語るのは単身赴任でバンコク滞在中の夜遊び好き40代駐在員。とはいえ、以前のような人の賑わいには程遠い状況だという。
「例えば、パッポンや隣接するタニヤには、日本人客向けのクラブやスナックなどが集まっているのですが、今も閉めたままの店が多いです。以前は深夜でも通りは人で溢れているような場所でしたが、今は本当に閑散としている。人が少なすぎて逆にちょっと怖いですね」
また、数多くのゴーゴーバーが軒を連ねるナナプラザも以前のような活気はないとか。
「正直、女のコばかりで男性客が全然いない。そのせいか客引きがちょっとしつこかったりして、逆に遊びづらい雰囲気がありますね。ソイ・カウボーイは開いてる店と閉まったままの店が混在していて、営業中のところもやっぱり女のコがヒマそうにしていますね。出勤している女のコも少ないみたいで、コロナで帰省してまだ戻って来ないコが多いのだと思います」
歓楽街から人が消えたのは、日本に限った話ではないようだ。
(高島昌俊)