本家にも負けていない? バンコクで大人気「そっくり牛丼屋」の実力!

 ラーメンやカレーに並ぶ、日本人の国民食といっても過言ではない牛丼。吉野家、すき家、松屋の3大チェーンの店舗数は、国内だけで4000軒以上。しかも、現在は3社とも海外にも進出しており、GYUDONやBEEF BOWLの名で世界中の人々に愛されている。

 東南アジアのタイもそんな牛丼人気の高い国のひとつで、ショッピングモールなどを中心に吉野家とすき家が店舗を展開。今は新型コロナの感染拡大で店内飲食が規制されているが、以前はどの店もランチタイムや夕食時には混雑する盛況ぶりを見せていたほどだ。

 そんなタイの首都バンコクには吉野家に似たローカル牛丼チェーンがあり、現地在住の日本人の間では有名。それも『牛野家(ぎゅうのや)』という本家を意識したような名前で、入口には店名が大きく書かれている。

 開業は06年で、1号店があるのは日本食レストランや居酒屋、カラオケスナックなどが軒を連ねる、日本人街として有名なタニヤ通り。周辺はオフィス街なので日中はビジネスマン、夜は飲んだ帰りに立ち寄る酔客が訪れ、コロナ前は毎日深夜まで賑わっていたそうだ。

「店内や従業員の制服はオレンジ色で統一。外観も今は変えていますが、以前は吉野家そっくりのデザインでした。でも、牛野家はオーナーが米国やタイで飲食ビジネスを手がけてきた日本人で、単に見た目だけでなく牛丼のクオリティーも非常に高い。味付けは若干異なりますが、どちらが上かというよりは好みの問題。現地在住者の間でも牛野家派の日本人は多いです」(タイ在住ライター)

 ちなみに牛丼並盛の価格は、吉野家の119バーツ(約400円)に対して牛野家が170バーツ(約570円)と少し高め。タイは近年物価が上昇傾向にあり、屋台ではなくお店に入って食事すれば安くてもこのくらいはかかる。現地の人からすれば高級かもしれないが、日本人の感覚では良心的な料金だといえる。

 飲食業界では競合店による模倣は珍しくないが、ここまで似ているのはある意味スゴい。コロナ収束後に旅行でバンコクを訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてはいかがだろうか。

(高島昌俊)

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