政府が先ごろ、食品容器や文房具など家庭から出るプラスチックごみについて、「プラスチック資源」として一括回収する方針を固めたことが明らかとなった。リサイクル促進や世界的な問題となっている海洋プラスチックごみ対策の一環とみられている。
「これまでプラごみの回収は、『燃えるごみ』や『燃えないごみ』、『資源ごみ』など自治体によって区分けが異なっていたため、今後は一括して回収することによって、さらなるリサイクルを推進する狙いがあると見られています」(社会部記者)
しかし、これにネット上では《自分の地域では最近やっとプラごみが資源から燃えるごみに変わったばかりなのに、コロコロ変わって本当に面倒くさい》《プラごみをリサイクルするって燃やすだけなんでしょ? 変な手間を増やさないでほしい》《家庭用のプラごみが海洋に出るわけがないのに、本当に意味がわからない》《ごみの分別を増やすと、むしろ不法投棄が増えるのでは》などの意見が寄せられていた。
「現在、日本で分別回収されるプラごみのリサイクル率は84%となっていますが、その半数以上は『サーマルリサイクル』と言われるもので、簡単に言えば燃やされて熱源として再利用されていることになります。つまり、プラスチック資源として一括回収しようが燃えるごみとして出されようが、結局は燃やすことに変わりはないというわけです。また、ネット上の意見にもありましたが、家庭用のプラごみと問題となっている海洋プラごみは何ら関係がなく、そもそも日本から海洋に不法投棄されるプラごみは1%にも満たない。そのため、わざわざ家庭のゴミ出しに負担をかける必要があるのか、という疑問はありますね」(ITジャーナリスト)
プラごみとなるものを減らすことの方が、環境対策には重要とも思えるが…。
(小林洋三)