堺雅人(46)が主演を務めるTBS系ドラマ「半沢直樹」の続編が7年ぶりにスタートし、初回の平均視聴率は22%と高視聴率を記録。とりわけ関西圏では平均23.3%と、関東圏を1.3ポイントも上回る結果となった。第1シーズンでも関東より関西が高視聴率を獲得する「西高東低」の傾向が見られていたが、なぜ「半沢直樹」の関西人気は高いのだろうか。
「ひとつはシーズン1の前半の舞台が大阪であったことが理由です。特に大阪の中でも梅田や難波といった関西人にとっても特になじみの深い場所がロケに使われており、関西人の興味を引くことになりました」(メディアライター)
関西人が夢中になったのは、「半沢直樹」の名シーンによって“地元愛”を掻き立てられた結果というべきか。
また、高視聴率には関西人の県民性と「半沢直樹」のストーリーの相性も大きく関係している。「半沢直樹」は、有能な銀行マンである主人公・半沢が銀行内部の不正などを正し、例え上司であれ圧力に屈せずに立ち向かっていく物語だ。
「よく言われるように関西人は情に厚い。意外に人情味のある半沢直樹が悪を懲らしめていく姿が関西人にウケたのでしょう。それとお金です。商人の町とも言われる大阪だけあって、お金について関心が強い人が多く、銀行の内部事情というのは、彼らにとって非常に関心を引かれるテーマであります」(地域社会学者)
加えて、関西人は“勧善懲悪”に対して独自の嗜好を持っているのだという。
「同じ勧善懲悪物の中でも『半沢直樹』には関西人に特にウケる理由があります。関西人たちはいわゆる『下の者が上の者の悪事を懲らしめる』という話が大好きなんです。この傾向はかなり昔からあり、時代劇では水戸黄門や暴れん坊将軍といった『お上が下々の味方をして悪を倒してくれる』という物語に比べて『庶民が悪の権力者を成敗する』という“必殺仕事人的”なストーリーの方が受け入れられやすいのです」(前出・メディアライター)
関西での「半沢直樹」人気は留まることを知らず、ロケ地の多くが“聖地化”され、第1シーズン放映時の道頓堀では、たこなどの具材を2倍にした「倍返したこ焼き」を始めとした便乗商品が多くの店で売り出されるほどだった。
大阪を舞台にしてガッチリつかんだ関西人の心を関西人好みのストーリーで繋ぎとめることに成功した「半沢直樹」。今シーズンの舞台は大阪ではなく東京だが、まだまだ関西人の心を離さないはずだ。
(浜野ふみ)