宅飲み需要だけじゃない!「炭酸水」が過去最高売上を達成した意外な理由

 大手飲料メーカーの調査によると、清涼飲料市場は全体で前年比(1月〜6月)1割減と苦境を迎えているという。やはりコロナ禍による外出自粛の影響が大きかったと見られている。

 そんな状況のなか、アサヒ飲料が発売するある飲料が最高の売上を叩きだしたという。

 炭酸飲料「三ツ矢サイダー」「ウィルキンソン」の上期の販売数量がブランド史上過去最高を更新した。さらにこれから夏本番を迎えるにあたり、「三ツ矢サイダー」を約4割、「ウィルキンソン」を約2割増産する体制を整えているという。

 この景気のいいニュースに、ネット上では「何があった?」「確かに大好きな商品だけど今人気なのはどうしてなんだろう」「炭酸水ブームって結構前から浸透していたのに今が史上最高なのが謎」と、ブランドとしては安定の人気として認識されているのか、記録更新の一報を不思議がるコメントが見受けられた。

 実は、この炭酸飲料の需要拡大は「外出自粛」にあるのだという。

「外出自粛の影響により、仕事終わりの晩酌を飲食店や居酒屋で楽しんでいた人たちがこぞって“宅飲み”に切り替えました。オンライン飲み会なども今では新しい生活様式として当たり前になりつつありますが、“宅飲み”に切り替えた愛酒家たちのマストアイテムは割り材として使う『ウィルキンソン』です。昨今の“宅飲み”で人気のストロング系チューハイの特徴は、低価格で強い満足感、早く酔えるため、時短飲みができるということがあげられますが、炭酸には血流を良くし、お酒に酔いやすくなる効果もあるため、自分で濃さを調節してお手製ストロングを楽しむことができる炭酸割りが“宅飲み”では需要があるようです」(経済誌ライター)

 さらに、主婦層の間でも炭酸飲料需要が高まっている。

「インスタグラムなどのSNSユーザーの主婦達を中心に、かき氷シロップなどを炭酸水で割ったオリジナルサイダーを作ったり、三ツ矢サイダーとフルーツなどを使った色とりどりのゼリーを家で作って“おうちカフェ”を楽しんだりする人たちが急増しています。味を楽しむだけでなく、おうちでできる“インスタ映えメニュー”としても人気が高いですね」(前出・経済誌ライター)

 また、炭酸の血行促進作用による健康効果も注目されたことで、需要はさらに高まっており、長年愛されているロングセラー商品には、これからますますの売上げアップが期待される。

(浜野ふみ)

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