「ウィキペディア」自分の記事を書き換えられる? 長谷川豊氏の「編集」が物議

 元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏が、ウェブ百科事典の「ウィキペディア」に掲載されている自分に関する記事を勝手に書き換え、炎上しているようだ。

 長谷川氏は7月7日未明、ウィキペディアの記事「長谷川豊」を大幅に編集。血液型や所属事務所、過去の出演番組などを削除しただけにとどまらず、ニューヨーク支局で滞在関連費用を不正使用した件や、透析患者について「実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」とブログで記述した件などをごっそりと削除したというのである。

 この編集作業はすぐに多くのユーザーが知るところとなり、長谷川氏による編集を取り消し(差し戻し)。すると長谷川氏本人を名乗る人物が《本人はすでに政治を離れており、2017年の記載をいまだに記述する説得性に欠けるため削除》といった理由などから削除にいたったと説明し、取り消し措置を撤回するように要求したのである。

 その際、発言には必須の“署名”がないことを指摘されると《署名ってなんだ やり方を教えてくれればやってみるが、そもそもTwitter見れば本人と分かる》と主張。その言葉通りに長谷川氏は、自分自身でウィキペディアを「あまりの内容に修正」していたとツイートしていたのである。

「ウィキペディアには自分に関する記事であっても本人による書き換えは控えるという基本方針があり、事前にユーザー同士の議論と合意が必要。そのプロセスをすっ飛ばして、突然がんがん削除した長谷川さんの行為は明らかにルール違反。それこそ“荒らし行為”と認定されても致し方ないところです。また本人にとっては不本意な記述であっても、客観的な出典があれば、削除はまず不可能と言っていいでしょう。フジ局アナ時代の滞在関連費用の疑惑に関しては、共同通信社が《フジテレビ、長谷川アナを処分 NY滞在関連費用を不正使用》という記事を配信しているので、その項目を長谷川さん自身が削除するのはルール違反も甚だしいと言わざるを得ません」(ネット系ライター)

 しかし自身の削除行為がすぐに取り消されたことに不満な長谷川氏は、「わずか数時間で差し戻されました」とクレーム。「僕のウィキペディアを延々何年も見続けていたということ。完全なストーカー」と、他のユーザーへの恨み言もツイートしている。だがそんな不満もまた、お門違いだというのだ。

「ウィペディアには記事の編集を通知してくれる機能がいくつも用意されており、『長谷川豊』の記事を編集したことのあるユーザーなら今回の削除にもすぐ気がつく仕組み。しかし長谷川さんは他のユーザーに『全員が貴殿のようにITに強い訳ではない』と強弁しているくらいですから、“ネットで即反応=ストーカー”と思い込んでいるのでしょう」(前出・ネット系ライター)

 果たして長谷川氏と他のユーザーによる“ウィキペディア編集合戦”はいつまで続くのか。その先には「投稿ブロック」という措置が待っている可能性も高そうだ。

(北野大知)

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