猛虎ファンはどこへ!? 阪神がリモート応援で「投げ銭」募るも閑古鳥!

 開幕から3カード連続で負け越すなど、勝率2割台で現在ダントツの最下位に落ち込んでいる阪神。ちなみに7月5日現在で、首位の巨人の負け率と阪神の勝率はちょうど一緒だ。その阪神は、無観客試合において、NPB(日本プロ野球機構)では初となるリモート応援システム「エンゲート」に参加。ネット上でファンからの「投げ銭」を受け入れているが、こちらの“成績”もお寒い状況となって閑古鳥が鳴いているというのだ。

 まずはそもそも「投げ銭」とは何かだが、ネット配信でそのコンテンツの内容が良かった時に称賛や共感、応援の意味で金銭を付与すること。要は、大道芸のチップのようなもので、この世界では一般的に行われている。有名なのは「SHOWROOM]で行われるライブ配信などで、月100万円を稼ぎ出すパフォーマーも珍しくない。

 一般の個人でさえそれだけ稼ぐというにもかかわらず、球界でも熱狂的ファンの多さで知られる阪神ともあろうものが、投げ銭集めに苦労しているというのだ。7月5日までに集まった投げ銭のポイントのランキングを見ると、1位が阪神タイガースの球団にあてたもので57590ポイント、2位が梅野隆太郎で37530ポイント、3位が藤浪晋太郎で30050ポイントだ。100ポイントを150円で購入するので、ランキングトップのチームそのものですら86385円分のポイントしか集まっていないことになる。さらに4位の西勇輝になると14740ポイントとガクンと獲得ポイントが下がってしまっている。

 また、専用ページ内では球団やファンの書き込みができ、試合の動きが知らされたりファンが応援コメントを寄せたりしているのだが、こちらもやはり寒い。7月1日には球団が阪神に関するクイズを15問出すクイズイベントが行われたのだが、球団が結果を伝える書き込みに対し、イイネが1つ、ファンコメントも1つしかない。ちなみに、全問正解者はいなかったそうだ。

「このシステムは、1つはリモート応援でファン共々、コロナ禍におけるプロ野球を盛り上げていこうという意図があると同時に、もう1つには無観客試合で興行収入が得られない金銭的損失を少しでも補おうという意図もあります。動画配信の世界ではマネタイズ化に成功していますが、こと阪神のこのシステムでのマネタイズ化に限っては完全に失敗していますね」(フリージャーナリスト)

 まあ、宣伝方法や認知度の問題もあるのだろうが、今回の「ギフティング企画」に、熱烈な猛虎ファンの姿は見る影もない。

 開幕直後の敗戦では、この「エンゲート」内の掲示板に「まずは勝って」というファンの書き込みがあったと面白おかしく報道されたりもしたが、やはりグラウンドで結果を残すしかないようだ。

(猫間滋)

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