「一軍帯同」でも登板ナシ! 佐々木朗希が抱えるフィジカルの不安要素とは?

 いったい、いつになったら投げるんだ!? 千葉ロッテのドラ1ルーキー・佐々木朗希投手が「帯同」という形で“開幕一軍”を勝ち取ったものの、登板の話は一向に出ていない。新型コロナウイルス禍による閉塞感を吹き飛ばしてくれるのは、令和の怪物。160キロ超えの快速球で相手打線をキリキリ舞いさせるピッチングを見せてもらいたいものだが…。

「井口資仁監督が開幕一軍メンバーに入れると明言したのは、巨人との練習試合後のことでした(6月16日)。一軍に帯同させているということは、登板させるつもりがあるからだと思われたのですが……」(スポーツ紙記者)

 一時期、本拠地・ZOZOマリンでの6連戦(6月23日〜)が「怪物デビュー」の舞台になるとも予想されていた。しかし、登板日はおろか、試合出場の登録さえされていないのだ。

「ロッテ首脳陣が慎重になりすぎているようです。井口監督は『報告が上がってくれば』と吉井理人投手コーチを指し、吉井コーチは『様子を見て』とはぐらかして……。故障の可能性が1ミリでもあれば絶対に投げさせないでしょう」(球界関係者)

 そんな井口監督だが、佐々木に関して意味深なコメントを残していた。6月4日に逆上るが、実は同日か、その前日にあたる3日が佐々木のテスト登板日になるはずだった。というのは、佐々木が実戦形式のシート打撃に登板したのが、その一週間ほど前の5月26日。先発ローテーションと同じように「中6日」で投げるのなら、6月3日となる。さらに慎重を期して臨むのなら、もう一日空けて6月4日と予想されていた。しかし、その気配は全くナシ…。

 すると、井口監督は「今回の練習試合は見送ろうと思う」(4日)と答えた。その理由については、シート打撃後の状態を指して「体調面でまだ戻らないところもある」と説明していた。

「プロのユニフォームを着て、実戦形式のピッチングを初めて行ったのが5月26日のシート打撃でした。首脳陣が注視していたのが、『本気で投げた後の体力の回復具合』です。医学的な根拠はわかりませんが、筋力に関するデータが通常時の数値に戻らなかったのです。今のままで実戦マウンドに立たせたら怪我をすると判断されました」(前出・球界関係者)

 160キロを投げ続ける“怪物”のフィジカルは、素人が考えるよりもはるかに繊細にできているようだ。いまだ登板がないのは、やはり、ロッテ首脳陣が慎重になっているからだろう。二軍で練習させるよりも目の届くところに置いておき、回復具合を見守りたいのかもしれない。

 しかし、こうも考えられる。例のシート打撃で佐々木が投げたのは、たった11球。変化球も折り曲げていたが、投げたのは、ほんのちょっとの時間だ。故障を回避させるのは当然だが、こんな調子では令和の怪物がマウンドに立つのはいつになることやら…。

(スポーツライター・飯山満)

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