フリマアプリへの「山菜出品」は違法!?  行者にんにくの購入に重大リスク

 マスクやアルコール消毒液などがコロナ禍にフリマアプリに数多く出品されて法規制がかかるほどの社会問題となったが、今度は北海道内の道有林などで採った山菜がフリマアプリで大量に販売されていると「十勝毎日新聞」が報じ、驚きの声が上がっている。

「同紙は、5月に食べごろを迎える行者にんにくがフリマアプリの『メルカリ』に大量出品されており、送料込み1キロ3000円前後の相場で売られていると説明。出品者にどこで採取したのかを質問したところ、少なくとも3人が『道有林』や『河川敷』と答えたといいます」(ネットウォッチャー)

 また、「メルカリ」には北海道に限らず、行者にんにくやタラの芽やフキなど様々な種類の山菜が出品されている。林野庁によれば、国有林などで山菜を採取することは自由だというが、販売する場合には管理する自治体などと林産物売買契約を結ぶ必要があるのだそう。

「山菜の出品はマスクなどの転売で味をしめた人が小遣い稼ぎ感覚でおこなっているとみられますが、何の知識もなく山菜を売ることや買うことはお勧めできません。自由に採取できると思って山菜を採った場所が、国有林ではなく実は私有林だったというケースも往々にあるからです。その場合、販売せず採取しただけでも『森林窃盗罪』に該当し、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されます。

 また、専門家ではない一般人が採取した山菜を食べた場合、死を招く可能性もあります。たとえば、行者にんにくには『イヌサフラン』という見た目がそっくりな有毒植物が存在しており、これを食べると嘔吐や手のしびれなどの食中毒症状を発症するのです。北海道では過去に『イヌサフラン』を食べたことによる食中毒で死者が出たケースもあるので、素人が採取した山菜を食べるのは非常に危険な行為なのです」(地元紙記者)

 タダで手に入るからといって素人が山菜をフリマアプリで販売してはならない。

(小林洋三)

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