「もう二度とギャンブルはしません。賭けてもいいです」
5月21日発売の「週刊文春」で、「賭けマージャン疑惑」を報じられた東京高検の黒川弘務検事長から、こんな謝罪の弁が聞かれるかもしれない。
黒川検事長は法務省に対して「賭けマージャン」の事実を認め、辞任の意向を固めているという。だが、「辞任だけではすまされない」というのが大方の意見だろう。冒頭は同じく「賭けマージャン」で現行犯逮捕された、漫画家でタレントの蛭子能収の弁だが、「週刊文春」の記事によって、黒川検事長の賭博行為の悪質性がより際立つこととなった。
「『文春』の記事を読んで驚いたのは、記者宅でマージャンをする際に、新聞各社が自宅からの往復に使うハイヤーの料金を負担していたということ。金額にして100万円ほどの“便宜”がはかられたと書かれていましたが、もっと驚かされたのはマージャンで動いたお金。ある記者の『10万円も負けた』という証言も掲載されていたので、おそらくテンリャンピン(1000点200円)以上の高額なレートで金が動いていたと推察されます」(週刊誌記者)
一方、冒頭の「賭けてもいいです」の“迷言”で世間を唖然とさせた蛭子のケースはどうか。
「蛭子さんが逮捕されたのは1998年11月。家族と待ち合わせする際に、たまたま空き時間ができて、フラリと新宿の雀荘に入ったのですが、運が悪いことに、警察のガサ入れに出くわして、他の客や従業員とともに警察署へ連行されました。その日の蛭子さんは絶好調で勝ちまくっていたとはいえ、勝っていたのは9000円程度だったそうです。当時の蛭子さんは超がつくほどの売れっ子。謹慎処分で出演していた番組はすべて降板になり、1億円近い年収を棒に振ったと言われました。ちなみに近年は賭けるマージャンからはすっかり足を洗って、認知症予防の効果がある、お金を賭けない健康マージャンの普及活動に努めているそうです」(芸能ライター)
10万円もの金を御用記者からまきあげていたと報道された黒川検事長と、たまたま入った雀荘で9000円勝っていたところを現行犯逮捕された蛭子。おそらく黒川検事長が通い詰めた記者宅での「賭けマージャン」で動いた金は、トータルすれば10万円どころではないだろう。すでにツイッター上では「黒川検事長の懲戒免職を求めます」「黒川検事長の懲戒免職及び逮捕を求めます」といったハッシュタグが見られる。
賭博は賭ける金額にかかわらず違法行為となるが、「検察庁のナンバー2」という肩書きを考慮しても、「蛭子事件」の10倍、いや100倍は悪質だと言えよう。
(倉田はじめ)