「コロナ抗体」を持つマドンナとスウェーデン“集団免疫作戦”のヤバい関係

《新型コロナウイルスは金持ちも貧乏も感染する。平等をもたらすのは素晴らしい》

 3月にこんなメッセージを自身のインスタグラムにアップして物議をかもしたポップの女王・マドンナ(61)。4月30日には新型コロナウイルスの抗体検査で「陽性」が判明し、過去の感染歴と、抗体の持ち主であることがわかっている。

 窮屈な「隔離生活」を送っているかと思いきや、自宅待機命令を無視して、ロックダウンの最中にあるニューヨーク在住の知人の誕生日パーティーに興じていた疑惑が報じられた。参加者がSNSにアップした動画には、「COVID CAKE」としつらわれたケーキが映っていたというから不謹慎と言わざるを得ない。これが日本ならとっくに「自粛警察」に吊るし上げられそうだが、意外にもアメリカでは少ないながらも擁護の声もあるというから驚きだ。

「アメリカ国民は『自由』『No.1』の自尊心がことさらに強いんです。自由を謳歌できないならアメリカではない、という考えも根強く、連邦政府も州政府も外出禁止令を出し続けることは暴動に繋がりかねないと危惧する声も少数ではないんです。SNSでも《マドンナ、見損なったわ!》《抗体があるからって他人にうつしていいわけじゃないでしょ》といった批判がある一方で、《マドンナこそ最強!》といった声も聞かれます。実際、マドンナはワクチン開発を進める財団に多額の寄付をしていることもあって、日本で言う『芸能界から干される』というほどのバッシングはありません」(在米ジャーナリスト)

 一方、アメリカやヨーロッパ各国が取り組む厳しい封鎖措置とは対照的な「コロナ対策」を打ち出しているのがスウェーデンだ。多くの国民を新型コロナウイルスにさらすことで、「集団免疫」を獲得するという独自路線を突き進んできた。当然、このコロナ対策には多くの学者たちが猛反対したのだが……。

「この世界的なコロナ禍で、よくも悪くも脚光を集めるスウェーデンが、アメリカ人の自尊心に火をつけている面はありますね。『小国のスウェーデンが自由を謳歌し続けているのにアメリカ人が我慢を強いられているのはおかしい』というわけです」(前出・在米ジャーナリスト)

 さすがに表立って派手にパーティーをすることはないようだが、バーベキューパーティーなどアメリカ人にとって日常といえる小規模なパーティーは散見し始めている。彼らの行動を後押ししているのが「抗体検査」だ。ニューヨーク州ではランダムに抽出した3000人の新型コロナウイルスの抗体検査を実施したところ14%近くから陽性反応が得られた。彼らの多くに自覚症状はなく、「ウイルスに接触しても発症しない」との認識を植えつける形となってしまった。ならば積極的にウイルスに接触して症状が出たら病院に行こう、という者が出てきてもおかしくはない。

 自粛歓迎の日本人としてはおっかなびっくり見守るしかないが、スウェーデンではアメリカや中国の2倍近い12%以上の死亡率であることを忘れてはいけない。その多くが介護施設などで暮らす高齢者であることも。

(鷹太郎)

ライフ