「ここのところ神経的にピリピリしているので、そういう音にも今、いつも以上に反応しているんじゃないかと思います」
5月6日、フジテレビ系情報番組「直撃LIVE グッディ!」の安藤優子キャスターが、前夜未明の緊急地震速報によるアラーム音で跳び起きた際、左ふくらはぎに肉離れを起こし、グルグル巻きのテーピング状態であることを番組内で報告した。
未明に発生した地震は千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.0。その前日深夜にも同様の緊急地震速報があり、「一応、職業柄、あっ起きなくちゃ! 地震だ!って思ってベッドからポンッと降りた時にガクッと。で、左ふくらはぎの(筋肉の)断裂、結果、肉離れでした」と乾いた笑いを浮かべた安藤キャスター。
緊急地震速報は、気象庁が地震の初期微動をとらえ、その後に来る強い揺れの到達時刻や震度を予測。最大震度5弱以上を予想すると、震度4以上が見込まれる地域の携帯電話やテレビ、ラジオ、防災行政無線に速報するというものだ。
とはいえ、コロナ禍による神経の消耗で、ただでさえ寝不足のなか、2日連続の緊急地震速報に、ネット上でも《あの通知音、まじトラウマになるわ》《どこに避難すればいいか考えたら、寝られなくなった》といった声が続出。
「数秒とはいえ、地震がくる直前に緊急地震速報が鳴らしてもらえば、机の下にもぐったり、台所の火を消したりと対応できることも多い。他にも津波警報やJアラートなど、非常時にスマホを鳴らし注意を喚起する『緊急速報』のメリットは大きい。ただ、特にシニア層を中心に、《あの音は心臓に悪い!》という声が多いのも事実です」(ITジャーナリスト)
神奈川県では2日、「緊急速報メール」を使い、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための外出自粛を呼び掛けたが、これには非難が殺到。黒岩祐治知事が謝罪する事態に発展した。
「アラートつきの緊急速報メールは本来、地震や自然災害などで使われるものでしたが、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、メッセージを発信できるようになっていたんです。今回実行した都道府県は神奈川県と高知県、北海道ですが、今後ますます使用の範囲が広がること間違いないでしょう」(前出・ジャーナリスト)
現在、緊急速報の受信はau、docomo、SoftBankなど大手から販売されているスマホのほぼすべてに「初期設定」されているが、基本マナーモードの【ON/OFF】にかかわらず、警報音は最大音量で鳴動する仕組みだ。ただ、機種によっては[設定]項目から、各警報を選択し[音量]の項目をタップすると音量調節可能な機種もあるので、まずは手元の端末をチェックしてもらいたい。
「緊急速報メールは本来、読んで字のごとく『緊急時』に危機を伝えるために始まったサービス。今後緊急性がないものが増えていけば、ただうるさいだけのメッセージに過ぎなくなる。そうなれば、初期設定から外す人も増えてくるでしょうね」(前出ジャーナリスト)
特に高齢者にとって深夜の大音量ブザーは転倒や心臓への負担など、大きなリスクとなる可能性も否定できない。ともあれ、自治体には使用の慎重さが求められる。
(灯倫太郎)