吉本興業とUUUMは4月28日、資本業務提携を締結したことを発表。今後は吉本に所属するお笑いタレントのYouTubeチャンネルをUUUM側と共同で運営していくことも併せて報告している。
UUUMの創業者で代表取締役の鎌田和樹氏も同日に自身のツイッターアカウントを更新し、「吉本興業さんのYouTubeチャンネルをUUUMにて全力サポートさせて頂きます」と報告。記念すべきコラボ第一弾として、お笑いコンビ・キングコングの梶原雄太が運営するYouTubeチャンネル「カジサック」に、UUUMのトップクリエイターであるHIKAKINがゲストとして登場。吉本が誇るNo.1ユーチューバーと、“UUUMの顔“による緊急会談の動画がアップされている。
「コロナ禍の影響で満足に所属タレントをテレビで起用できず、才能豊富な人材を持て余している格好の吉本興業と、昨今はトップクリエイターの木下ゆうか(フードファイター)や関根りさ、ハイサイ探偵団など、有能な人材が次々に退所しているUUUMの業務提携は、互いの悩みを補填し合うウィンウィン(win-win)なものと言えます。とりわけ、2019年12月に5000円台だった株価(マザーズ)が、現在では2000円前後までに下落しているUUUMにとって、“才能の宝庫“ともいうべき日本最大のお笑いプロダクションと提携できることは今後の巻き返しを図る上で大きな一手となるかもしれません。また、今回の提携によって、UUUMは公式サイトにて『吉本興業のサポートによるUUUMクリエイターのマスメディアでのキャスティング推進』などといった取り組みも実施していく方針だと発表しており、HIKAKINやはじめしゃちょーといったUUUMが生んだスタークリエイターのさらなる人気拡大にも繋がっていくでしょう」(テレビ誌ライター)
コロナ禍の「テレビ収録ストップ」と「株価低迷」という笑えない大問題があったにせよ、この「業務提携」はエンターテイメント業界に大きな影響をおよぼしそうだ。
吉本からは4月25日、タレントの今田耕司も自身のYouTubeチャンネル「今ちゃんねる。」を新設しており、ベテラン芸人として位置付けされる立場の芸人も続々とYouTubeの世界に参戦すると見られている。
そうなれば、やはり多くのファンが期待してしまうのは明石家さんまやダウンタウンといった重鎮らのチャンネル開設であり、コロナ禍で“ヒマヒマ“状態な松本人志もまた、UUUMとの提携をきっかけに新たな発信の場を設ける可能性もあるだろう。
ファンにとっても、今後の展開については様々な夢が膨らむことは必至。いまだ終息の目処すら立たないコロナウイルスの猛威の中、新しいエンターテインメントをお茶の間へ届けるべく、「笑いの総合商社」こと吉本が、「好きなことで生きていく」UUUMと互いの穴を埋める完璧なタッグを果たした格好だ。
(木村慎吾)