対コロナの切り札!志村けんさんへの「弔い」から生まれた“遠距離漫才”

 新型コロナウイルスによる肺炎で3月29日に急逝した志村けんさん。長年通い詰めた街・麻布十番の商店主は、努めて明るく言い放った。

「毎日飲み歩き、『オレには休肝日なんていらない』とうそぶいていたのは昔の話です。今では酒量も減り、特に数年前に母親が亡くなってからはめっきり落ち込んでいた。『せめて結婚して孫を抱かせてやりたかった』と周囲にこぼしていましたからね。また、肺炎や胃の手術などで、免疫力が落ちていたことは間違いありません」

 国内初の感染者を出してから2カ月余り、コロナ猛威は芸能界にも飛び火した。「爆笑コント王」こと志村さんが、芸能界で初めての感染者となったばかりか、まさか亡くなるとは誰が予想しただろうか。

 大手お笑い事務所のマネージャーが明かす。

「ビックリしました。まさかあの志村さんがコロナに感染するなんて。ウチの事務所にも濃厚接触者がいないか、発熱などの症状が出ていないかなど、確認が厳命されています。中にはしばらく自宅待機を命じられている芸人も出ていると聞いています」

 志村けんさんの「訃報」を受けて、お笑い業界では新たな取り組みが始まっているという。若手放送作家が語る。

「密閉された空間で大勢の観客がひしめき合う音楽イベントと異なり、お笑いイベントはそれほど自粛ムードが高まっていないのが現状。マスクの着用を呼びかけたり、お客さんとお客さんの間に空席を設けて座ってもらうなどの措置は取っていますが、劇場から感染者が出ないかヒヤヒヤですよ。そこで生まれたのが“遠距離漫才”です」

 もう二度と志村さんのような感染者を出してはいけない……。そんな弔いが込められた新しい漫才スタイルとは?

「最近、朝のニュース番組で出演者が間隔を空けて立っていますが、これにヒントを受けてボケとツッコミが2メートルほど距離を取って漫才を行うんです。カミナリさんのようなバシバシと叩くような“肉弾派”の漫才コンビには向かないかもしれませんが、これはこれで『しゃべりだけで勝負している』という実感が持てるし、お客さんに“密接”の危険性をアピールできるとあって意外と好評なんです」(前出・放送作家)

 天国の志村さんも「だいじょうぶだぁ」と見守ってくれているに違いない。

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