有吉の「攻撃的なツイッターのアイコンはアニメ」発言が炎上しなかったワケ

 お笑いタレントの有吉弘行が1月26日放送のラジオ番組「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」(JFN系)に出演し、ツイッターで過激な投稿を行うユーザーについて言及している。

 今や720万人ものフォロワー数を誇り、その一挙手一投足が常に注目を集める有吉だが、日々とてつもない数のユーザーと接しているからか、番組内で「なんでツイッターで“人を殺してやる”とか“お前なんてつまらない”とか“アイツ殺してやる”とか送ってくる人のアイコンは皆アニメなんだろうな」との疑問を投げかけると、続けて「じゃあ“アニメ好きな人ってそういう人が多いの?”って勘違いされる」とも話し、世間からすれば、アニメを好む人間に危険な人物が多い、との誤解を生んでしまうと指摘した。

 誤った偏見が生まれる可能性があるだけでなく、アイコンに使用された画像のアニメにとってもマイナスとなり得るため、「アニメの評判を下げることだけはやめていただきたい」と呼びかけている。

「これまでにも、ツイッターにおける攻撃的なアカウントのアイコンにはアニメの画像が使用されていることが多いとの指摘はネット上で散見されてきましたが、実は昨年12月に人気ユーチューバー・東海オンエアのゆめまるも自身のツイッター上で『Twitterとかで誰かの悪口とか無差別に攻撃してる人って大体アニメアイコンだよね。これって言ったらまずい??笑』とつぶやき、大炎上の末に当該ツイートは削除。後に『明らかにおかしい発言だったよ』と謝罪しています。ゆめまると有吉の発言はほぼ同じ内容ではありますが、前者は炎上し、後者にはネット上から『フォロワー数日本一が言うんだからそうなんだろうな』『これは分かるし、同意する』と共感する声が集まっています」(テレビ誌ライター)

 両者の違いとしては、ゆめまるが“アニメを好きな人間”という属性自体を非難しているようにも解釈されてしまうのに対し、有吉は最終的に“アニメの評判を落とすユーザーの行為”を批判しているため、属性ではなく振る舞いを咎めている、という点がある。

「有吉は単に『ツイッターで攻撃的な人はアニメアイコン』という偏見で終わらせず、その行為によってアニメが汚されてしまうとし、むしろアニメ好きに迷惑であるとの見解を示しました。これは、毒舌キャラとして芸能界に台頭しながらも、その矛先は後輩芸人や弱者ではなく、大御所や先輩に向けてきた有吉自身の姿勢に基づいているようにも思えます。コンプライアンスに厳しい令和の時代に突入しても尚、炎上する気配すら見えず、その人気をキープできている背景には、こうしたスタンスが世間から受け入れられているからでしょう」(テレビ誌ライター)

 大胆な毒舌キャラのように見えて、実は慎重な言葉選びや気遣いが窺える有吉。お笑い界屈指の人気者であり続けるには、そうした配慮が不可欠なのかもしれない。

(木村慎吾)

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