大谷翔平「二刀流復活」の命運握る新任”クセ者コーチ”

 大谷翔平の二刀流復活は、新任コーチに命運を握られているようだ。
 
《キャラウェイが、エンゼルス投手コーチとして、マドン(新監督のスタッフ)に招かれた》

 MLB公式サイトがそう伝えた。2020年、エンゼルスを指揮するジョー・マドン新監督は、大谷が先発する試合では「指名打者制を使わない」と明言している。「打者・大谷」で試合に出るときと同じように、クリーンアップの打順で「投手・大谷」がコールされる。そんな夢のある二刀流復活劇を支えるのが、新たに就任したミッキー・キャラウェイコーチだという。

 しかし、同コーチは少々クセの強い人物のようだ。

「昨季まで、ニューヨークメッツの監督を務めていました。18年シーズンから3年契約を交わしていましたが、19年で契約破棄となりました。同年は86勝76敗と奮闘しています。勝率5割超えの監督を途中解任するのは、メッツ初です」(特派記者)

 結果を残した指揮官の解任理由だが、メッツは詳しく答えていない。しかし、

「19年6月、担当記者とケンカになったんです。敗戦後、クラブハウスに引き上げようとしたキャラウェイ氏に、ある記者が声を掛けた。あくまでも記者側の言い分ですが、挨拶をしただけだ、と。でも、キャラウェイ氏はカチンときたらしく、クラブハウスでの会見からその記者をつまみ出すよう、声を荒らげたそうです。一部選手がその記者を力ずくで追い出したため、後日、球団が当該記者を始め、各方面に謝罪しています」(同前)

 キャラウェイ氏がコーチとして一目置かれるようになったのは、2013年以降。インディアンズの投手コーチを務め、のちにサイ・ヤング賞を2度受賞するコーリー・クルーバーなど複数の投手を育て上げたからだ。

「キャラウェイ氏もトミー・ジョン手術の経験者です。術後の体調管理など、肘を再び故障させないための練習メニューを持っており、これがエンゼルスに招かれた理由でしょう」(同前)

 つまり、同手術から再起を目指す大谷にとって、うって付けの人材だと思われているのだ。

「リリーフ投手の管理にも定評がありましたが、メッツの指揮官としてはそれを発揮できませんでした。各担当コーチとのコミュニケーションにも失敗しています。投手に関する知識は豊富ですが、性格的には熱血タイプです」(同前)

 大谷にとって、”熱血タイプの指導者”は初めてではないだろうか。母校・花巻東の佐々木洋監督、日本ハムの栗山英樹監督は、ともに温厚な知性派だ。トミー・ジョン手術からの復活を目指す大谷にとっては頼もしい存在ではあるが、その指導法に戸惑う場面も出てきそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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