“たった2カ月でスリム”の「24/7ワークアウト」がたった1カ月で業績下方修正

 11月21日に東証マザーズへ新規上場したばかりのパーソナルジム「24/7ワークアウト」を運営する「トゥエンティーフォーセブン」が12月20日、たった1カ月で業績予想を下方修正したことに、投資家らから批判が殺到している。
 
 運営会社の「トゥエンティーフォーセブン」は〈11月において無料カウンセリング申込件数が計画に対して大幅に減少〉で売上高を9300万円減、〈将来にわたる出店計画等を勘案し、先行して人員の採用を前倒し〉で営業利益を1億6600万円減、また〈売上高・営業利益が予想を下回ったため〉経常利益を1億8700万円減とし、当期純利益を2億3800万円減に下方修正したと説明している。
 
「ただ、同社は11月21日に東証マザーズへ新規上場する際に19年11 月期(18年12月1日〜19年11月30日)の業績予想を出しており、11月の無料カウンセリングの大幅な減少や先行した人員の採用についても織り込めていたのでは…と思えなくもなく、《分かっていて上場したのでは?》《上場即下方修正の違和感》などとする指摘が相次いでいるのです」(経済ジャーナリスト)

 ここ数年、ベンチャー企業が実際よりも高い業績予想を出して新規上場し、上場後数カ月で予想を下方修正するケースが相次いでいる。これらの中には一部の経営者が自分の持ち株を上場直後に売却し、多額の売却益を手に入れるケースもあり、“上場詐欺”や”上場ゴール”などと揶揄されている。
 
「15年には東証1部に上場してわずか2カ月半のゲーム制作会社『gumi』が営業利益を13億2900万円の黒字から4億円の赤字に下方修正して投資家たちからひんしゅくを買い、大きな問題となりました。以降、上場監査が厳しくなったと言われていますが、いずれにせよ、『たった2カ月でスリムな体型と健康』を謳ったパーソナルジムが、たった1カ月で業績をスリムに下方修正してしまったことには違和感がぬぐえません」(同)

 上場直後の業績予想の下方修正には、今後、厳しい対策が必要ではないだろうか。

(小林洋三)

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