Nスぺ「首都直下地震」がリアルすぎて子供に見せられない!?

 30年以内に70%の確率で発生するとされる「首都直下地震」。その震災についてNHKでは、12月1〜8日にNHKスペシャル「体感 首都直下地震ウイーク」を放送している。

 初日の1日には「プロローグ“あなたは生きのびられるか”」と題して、首都直下地震で想定される被害に関する最新の研究成果を紹介。CGを駆使した災害映像のリアルさで地震の恐怖を実感させている。その内容に一部から批判の声があがっているというのだ。東京・杉並区在住のライターが指摘する。

「決してNHKの放送内容にケチをつけるわけではありませんが、火災の映像があまりにリアルで、とても子供に見せらる代物ではないのです。番組では住宅地の広がる杉並区をフィーチャーし、どこから出火しても一面に火災が広がってしまう“延焼運命共同体”について紹介し、避難所の近くで火災が広がるとその周辺で犠牲者が出ることなども説明。それらの状況が杉並区の地図にオーバーレイして映し出されるので、視聴者意からは《我が家の周辺って絶対に燃えちゃうの!?》《あの避難所、ウチのそばじゃないか!》《ウチも焼けちゃうの!?》といった生々しい反応があったようです」

 番組内の地図にはJR中央線や青梅街道、善福寺川といったランドマークが映し出されており、杉並区民ならどの場所に該当するのかが分かったことだろう。周辺で犠牲者が発生するという避難所は区立の小学校で、近くの住民ならどこの小学校なのかが特定できるようになっていた。

「もちろんこれらの情報は、いざ震災が起きた際にはとても有益であり、杉並区民にとっては必見でしょう。しかし自分の子供がその小学校に通っていたら、とても我が子に見せられる内容ではなかったことも確か。ただ、架空の街をモデルにすると緊迫感が伝わらなくなるので、古い住宅地の杉並区を取り上げるのは理解できますし、大人なら《逃げ道を確認しよう》と前向きに考えられることでしょう。とはいえ、地元の小学校でこの番組を教材に使うのは、子供への心理的ショックを考えても親としては避けてほしいところです」(前出・杉並区在住ライター)

 同番組を見た杉並区民には、自宅が“延焼運命共同体”の範囲内か範囲外なのかが大いに気になったはず。いずれにせよ災害への備えは、日ごろから欠かさないようにしたいものだ。

(北野大知)

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