「11月14日、経団連により大手企業の冬のボーナスの第1回集計が発表され、12業種82社の平均額は96万4543円となり、昨年に引き続き2年連続で過去最高額を更新したとのことですが、これにネット上で驚きの声が多くあがっています」(社会部記者)
この調査対象は、従業員500人以上の東証一部上場企業に限定されており、第1回集計は主要21業種のうち回答のあった82社をまとめたものだという。なお、業種別で見ると、東京五輪・パラリンピックに向けて需要が高まる「建設業」が約172万円と最も多く、「自動車業」が約102万円、「造船業」が約92万円と続いている。
ただ、この発表に対しネット上では、《ホンマかいな?どこの世界の話だ》《夢なら夢の中で話してくれ》《毎年のように過去最高を更新してるけど、俺の周りは誰も冬のボーナスなんて1円ももらってない》など、まったくもって信じられないという意見が噴出している。
「あくまで日本のトップ企業のボーナスをまとめたものであるため、多くの人がその額に驚くのは当然の話です。ちなみに、好業績で労使交渉が早くまとまった企業から回答を得られるため、第1回集計では平均額が上がりやすく、最終集計までには額が下がる傾向にあります。また、8月の景気動向指数では国内景気が4カ月ぶりに“悪化”していると判断されており、最近では大手企業で続々と大規模なリストラを発表。19年のリストラによる退職者が6年ぶりに1万人を超えたとの報道もあり、景気の低迷を感じている人も多く、余計にこの発表が現実に感じられないのかもしれません」(経済ジャーナリスト)
一部でボーナスが上がるのはいいが、問題は、そのカネがしっかり市中に出回るかどうかだろう。
(小林洋三)